新築で失敗しないために足を運んでおくべきモデルハウス。

ただ、見学をするだけではいい家を建てるための行動とは言えません。

モデルハウスに行く理由をきちんと定めておく必要があるのです。

さらにモデルハウスでの注意点も合わせてご紹介します。

失敗しないモデルハウスの見学方法を知り、理想のマイホームへ一歩近づきましょう。

 

モデルハウスにいく目的

モデルハウスにいく理由は人それぞれですが、参加する目的は大きくわけて4つあります。

1.家づくりに触れる

雑誌やネットで間取りを見たり、どの素材が良いかを調べるだけではイメージは非常に沸きにくいです。

 

実際の家がどのようになっているかをモデルハウスに参加することで知るのです。

  • どこに、どういった工夫が施されているか
  • 新築ならではの良さに触れる
  • どんな仕上がりになるかの確認

が主なポイントです。

 

家を購入するための参加ではなく、新築の雰囲気に慣れるための参加という位置にしましょう。

2.しっかりとした住宅というものを味わう

モデルハウスで使用される家は業者も気合いを入れて作っています。

 

そのため美しさや豪華さはもちろん、

  • 間取りへのこだわり
  • 導線へのこだわり
  • 設備へのこだわり

などがしっかりと配慮されて作られています。

 

結論からいうと、モデルハウス通りの新築を建てることは難しいです。(理由は後で述べます)

 

しかし、モデルハウスの住宅を目に焼き付けることで、

  • 実際に建てる自分の家の参考にできる
  • 自分の家を建てる際の違和感に気づけるようになる
  • しっかりした住宅を味わうことでこだわりたいことがさらに強くなり、明確になる

といったメリットが生まれます。

 

依頼しておしまい」「業者に丸投げをしておしまい」では決して満足できる家にはなりません。

自らの目でしっかりとチェックし、理想の家づくりに取り入れましょう。

3.五感に残すため

目で見ること、匂いを感じること、実際に触ってみること、音を聞いてみること。

新築ならではの新鮮さを体全体で味わうことがモデルハウス見学の目的の1つです。

人間の5感は非常に素晴らしいものです。理由がなくとも「良い」と思えるモデルハウスであれば、後々どこがよかったのかが明確になる可能性があります。

また、逆も然りで「悪い」と思ったらその理由も明確になります。

 

もちろん、「味」はムリですが、実際に「家」というものを体感することで、

  • 間取りが明確になる
  • どこは譲れないかの再確認になる
  • こういう雰囲気の家にしたいという気持ちが強くなる

など、家に対するこだわりも強くなるのです。

 

雑誌やネットで物件をずっとずっと探しているよりも、一度自らの目で見て、肌で感じることで見えてくるものはたくさんあります。

参加したモデルハウスに決めるわけではなく、業者がこだわり抜いて作り上げた作品を体感することで自らの家に対する価値観も明確になってくるはずです。

4.オシャレの仕方を覚える

ファッションで言えば「自分の好きな服をきれいに着ること」を指す言葉ですが、家の場合は少し違います。

  • 好みの壁紙
  • 好みの家具
  • 好みのエクステリア

など、個人的な好みだけでは、満足のいくマイホームにはならないのです。

それは、「毎日生活する」からこその快適性を考慮しなければならないからです。

 

快適性を得るためには、

  • 開放感を得るためにはどのような工夫がされているか
  • 家具の配置や建具(扉)の形状での使いやすさのチェック
  • 動線の確認(どこから広く、使いやすく設計されているか)
  • 光の当たり具合(部屋や庭の日当たり状況)
  • 騒音

など、様々な部分に工夫が必要になります。

 

モデルハウスだからこそ、体感できる素晴らしい空間。

その空間に、家のオシャレのヒントが隠されているのです。

広くない間取りでも、家具の配置やカラーバランスから「広い」と感じられたり、数字上ではせまくくつろげないように覚えても、十分にくつろぎ空間になっていたりと、新しい発見がモデルハウスにはあります。

これらを「モデルハウスの目的」としっかり定めて参加する必要があります。それは、様々な誘惑や業者の企みがモデルハウスには詰まっているからです。

大きい買い物だからこそ「下調べはしっかりと」そんな気持ちでモデルハウスには参加するようにしましょう。

では、ここからはモデルハウスに参加する上での注意点についてご紹介します。

モデルハウスでお金の話はしない

モデルハウス見学時に担当者がついていろいろと説明をしたり、質問に答えたりしてくれますが、担当者から「予算」や「どのくらい(金額)の予定で」といった質問に答えるのは避けるようにしましょう。

 

モデルハウスは業者がお客さんに対して「いい」と思わせるために、

  • 既製品を使っていない場合がある
  • 表示されている価格以上の費用がかけられている
  • 有能な設計士が作成をしている

など、様々な工夫をしているのです。

 

ここがポイントで、実際に見た家と提示された価格がイコールではないのです。

つまり、提示された価格を予算にした場合、モデルハウスで見た家以下の家が出来上がってしまうのです。

 

ここで予算の話をしてしまうと、

  • その予算ならこれくらいの家が出来る
  • 設備はこのグレードよりいいものができる

など、いい話しか出てきません。

 

モデルハウスに行って提案を依頼したら、「どこでも出してくるような普通の提案しかこない」なんてことは日常茶飯事なのです。

設計士もモデルハウスの設計士とは異なるため、大きな違いが生まれてしまうのです。

モデルハウスでお金の話をしてしまうと、次から次へと言葉巧みに誘導され、後悔の残るマイホームになってしまう可能性が上がります。

「見学」と先に行ってしまうと担当者は態度を変えることもあるので、心の中で「今日は見学だけだ」と強く誓ってモデルハウスには参加するようにしましょう。

営業マンという物を知っておく

モデルハウスで説明をしてくれたり、アンケートを依頼してくるいわゆる「営業マン」。

モデルハウスだからと言ってすごくしつこい勧誘をしてくるわけではありませんが、やはり注意が必要です。

モデルハウスでは、見学時の質問に対する受け答えをしっかりと見ておきましょう。

見学後に検討を重ね、その業者に申し込むことになった場合、その営業マンが担当者になる可能性があるからです。

 

いくつか質問をしてみて

  • 当たり障りないことしか言えない(マニュアルトーク)なら悪い営業マン
  • 詳しく説明してくれるデメリットについても話してくれるなら良い営業マン
  • 理想とする家に対して、様々な提案をしてくれるなら良い営業マン

と言ったふうに、意外と良し悪しは判断しやすいと思います。

 

ハウスメーカーの営業マンの特徴は「できない」と言わないことでもあります。

どんな要望に対しても「できる」と言い、実際に依頼をすると別に費用が発生するということもよく聞く話です。

このあたりもモデルハウスのときに注意して会話をするようにしないと、営業マンのペースに引っ張られてしまいます。

上手な言葉遣いで載せてくる営業マンが多いので、個人で行くのではなく必ず夫婦2人で行くようにしましょう。

 

そして、

  • モニター当選
  • キャンペーン

言葉に釣られないようにしましょう。

 

特にキャンペーンは「必ずある」ものなので、「今、契約しないと損をする!」なんて思わないようにしましょう。

アンケートは答えても答えなくてもどちらでもいいので、おいしい話につられて後悔の残るマイホームにならないよう、「見学だけです」と割り切って後にするのがいいと思います。

間取りは家族で考え、モデルハウスに惑わされない!

モデルハウスで実際の家を見てみると、

  • 広くて雰囲気がいい
  • 家事がしやすそうな配置になっている
  • 静かで生活がしやすそう

など、様々ないい印象を受けます。

 

それもそのはず、モデルハウスは設計士がこだわって間取りを作成していますし、静かな一等地に建てられるケースが多いです。

しかし、モデルハウスは実際の家とは違います

 

くつろぎスペースが大きめに設計してある
  • 収納が狭かったり、庭が小さいや、駐車場が狭かったりする場合も

 

生活動線が悪い
  • ゆったりとした状態で見ると良さそうでも、動線を考えると使いにくい場合も

 

家具が少なく、広く見える場合も
  • 生活に必要な家具が最小限でスッキリして見える
  • 実際に物を置くと狭くなってしまう可能性もある

 

一般的な家の間取りに生じる問題が見えにくい
  • 1階の廊下、2階

という違いが生じているのです。

 

ここを見極めるためにモデルハウスでは、

  • 押し入れや収納の配置
  • どこがおしゃれと感じるか
  • 壁やフローリングの雰囲気

などを、家の間取りに取り入れるための「参考」とするようにしましょう。

 

モデルハウスならではの視点もあるため、上手に取り入れることでより理想のマイホームに近づくことでしょう。

設備は標準仕様を使っていないことが多い

モデルハウスで設置されている設備は、標準仕様よりもグレードの高いものを使用しているケースがほとんどです。

やはり、見学者に「いい」「きれい」「使いやすそう」といったプラスの感情にするためには、グレードの高いものを使用したほうが感情を動かしやすいからです。

営業マンに予算を伝えると、「その予算ならこれより1つ高いグレードにできますよ。」と言われる場合もありますが、その1点だけで見ないことがポイントです。

 

坪単価や土地の価格、建築費用はそれぞれ立地条件により異なります。

 

間取りにこだわりを入れようとすると、設備のグレードを上げている場合ではないことが多いです。

実際、予算オーバーになってしまった場合、優先的に設備のグレードを落とすことが多いため、予算が足りているからという理由で設備のグレードを上げることはおすすめできません。

基本的に「よく思わせて契約を狙う」といったスタンスの営業マンが多いため、おいしい話に引っ張られないように注意しましょう。

アンケートには記入しなくてもいい

見学後のアンケートは、気が向かない場合は記入しなくても大丈夫です。

「今日は見学だけなので。また聞きたいことがあったらこちらから連絡します。」と名刺をいただくだけにとどめておきましょう。

 

アンケートを記入することで、

  • モニター、キャンペーンの連絡が来る
  • どのような家が理想なのか聞かれる
  • 物件紹介をしようかという誘いを受ける
  • 間取り図を見てみないかと次のステップへの勧誘を受ける

などが生じてしまう可能性があります。

 

先程、夫婦2人で参加するべきとお話したのもこの状況を避けるためでもあります。

郵便物が送られてくるだけならまだしも、電話がかかってきたり訪問してきたりとなってしまっては断るに断れないという方もいらっしゃると思います。

「ここなら任せてもいい」

と、モデルハウスと担当者を見て確信したのであればいいですが、少しでも不安材料が残っている状態であれば、勇気を持って見送りましょう。

まとめ

モデルハウスに行く際に、

  • 目的
  • モデルハウスの仕様
  • 営業マンの行動

の3つをきちんと頭に入れて、必ず夫婦2人で参加するようにしましょう。

 

モデルハウスに参加する目的は、

  • 家づくりに触れる
  • しっかりとした住宅というものを味わう
  • 五感に残すため
  • オシャレの仕方を覚える

の4つです。

 

また、モデルハウスの仕様は、

  • 通常よりも広く見せる設計
  • 動線などがよく考えると悪い
  • 収納の位置と広さが適切でない場合も
  • 駐車場などが考えられてない場合も
  • キッチンなどの設備は標準仕様よりも高いグレードであることが多い

です。

 

営業マンに対しては、

  • お金の話はしない
  • 質問に対する答え方をしっかりと見ておく
  • アンケートには答えなくてもいい
  • 「できる」という解答が多いがあまり鵜呑みにしない

です。

 

モデルハウスでいい住宅に触れたら、間取りを考えたり、土地を決めたりといよいよ具体的なステップに移行していきます。

このとき、「いい業者を選ぶ」ことは成否を分けるポイントであるため、業者選びは慎重に行ってください。

複数業者を比較して、納得のいくマイホームを手に入れてくださいね。