数千万円もの費用がかかる注文住宅。

予算の目途を建てていても、予算オーバーになってしまう方は非常に多いのではないでしょうか?

その際、どこを削るかで迷われる方が多いです。

外構、内装、素材や設備など削る部分は多いですが、間取りもその中の1つです。

しかし、間取りは削り過ぎてしまうとムリが生じ、快適性が損なわれる危険性が非常に高くなります。

そのため、間取りを削る際はポイントを押さえて、必要最小限の変更に留めることが失敗や後悔を未然に防ぐために重要になります。

ここでは間取りで節約をするためのポイントをご紹介します。

しっかりと検討して、快適性を保ちながら節約する方法をお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

 

施工する面積を減らす

間取りで節約を行うために第一に考えることは、施工面積をいかに少なくするかです。

坪単価は敷地面積ではなく、施工面積を元に計算されています。

そのため、30坪の敷地でも、施工面積が40坪、50坪になることは非常に多いです。

ここを間違って覚えてしまっていると、予算オーバーになってしまうのでしっかりと押さえておいてください。

施工面積とは、床、壁、天井をすべて含めた面積のことです。

そのため、床面積を減らせば天井の面積も自動的に減ります。

例えば、坪単価が50万円だとして、床面積を3坪減らすと天井の面積も3坪減ります。

つまり、施工面積が6坪分減るので、50万円×6坪=300万円の節約が可能になります。

床面積が占める建築費用の割合は非常に大きいので、まずは床面積をいかに減らすかから考えるようにしましょう。

また、壁の面積もポイントになります。

部分2階の場合は凹凸が大きくなるため、費用がムダにかかってしまいます。

そのため、節約をしつつ2階建てを希望する場合は総2階にすることをおすすめします。

総2階にすることで、シンプルな構造になるので、高気密高断熱性が保たれるメリットもあります。

さらに、床面積が減ると動線が短くなり、家事や通勤準備が楽になるメリットもあります。

そのため、まずは面積をいかに減らし、コンパクトな設計にするかを考えるようにしましょう。

窓の数は最小限に

窓の数を少なくすることも、節約するためには有効な方法です。

物や大きさにもよりますが、10万円以上の節約を見込むことができます。

窓の数を減らすと、「通気性が悪くなる」「新鮮な空気が取り込めない」と心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、これは大きな間違いです。

今では、シックハウス症候群対策として24時間の換気設備を取りつけているメーカーが非常に多いです。

部屋の内部の空気を外に出すなら換気扇で十分です。

また、通気性を向上させるポイントは、窓の数ではなく場所です。

北側と南側に取り付ければ空気の流れ道を作ることができます。

しかし、北側と東側につけてしまったら、西と南に十分な空気が遅れなくなってしまいますよね?

加えて、方角を考慮すれば、必要最小限の窓の数で十分な採光を得ることができます。

西側に窓を設置してしまうと、小さな窓でも西日が入ってきてしまうので、夏はサウナ状態になってしまいます。

そうすることで冷房費の節約も可能ですし、窓が減ればプライバシー保護にも繋がります。

初期費用と共に、光熱費やプライバシー保護にも行えるので、非常に効果的な節約方法と言えます。

壁や仕切りを無くしてシンプルな間取りにする

間取りを削るよりも効果的な節約をするなら、部屋と部屋を仕切る壁や仕切り板を無くすことをおすすめします。

壁を取り付けようとすると、表面と裏面の両方を施工しなければいけません。

さらに、壁を作るために柱を建てる必要があるため、建築費用が多くかかってしまいます。

施工面積を減らし、基礎工事も簡易化することができます。

加えて、部屋の内部がスッキリするメリットもあります。

壁をなくすことで視界が広がるので、間取り以上の開放感が得られます。

プライベートで部屋を分けたい時は、引き戸を取り付けたり、カーテンやパーテーションで仕切れるようにしておけば使いやすくすることも可能です。

注文住宅で部屋の構造を複雑にすることはできますが、その分費用は非常に高くなります。

ここで紹介した壁や仕切りを無くすだけで、数十万円はコストダウンすることができますし、場合によっては100万円以上も安くなることもあります。

さらに素材やクロス、壁材などもコストダウンさせることでより大きな節約効果を得ることにも繋がります。

子供部屋をすっきりさせる

押入れやクローゼットなどの収納をなくして棚にするなどシンプルな構造にすることでコストを節約することができます。

収納スペースがなくなる分、部屋の広さを確保することが可能です。

収納の棚は、購入しようとするとコストがかかります。

しかし、木造住宅の場合、多く使用する木材を購入し、大工さんのハンドメイドで棚を作成してもらえばコストを抑えることができます。

また、同じ木材を使用しているため、インテリアとの相性が良くなるメリットもあります。

さらに、兄弟姉妹で別々の部屋にしたい場合も、上記のように壁で仕切ってしまうとその分コストが高くなります。

パーテーションなどで仕切れるようにしておくだけで大幅な節約をすることができますし、コストを最小限にするならカーテンもおススメです。

たったこれだけの工夫で、10万円以上も安くすることができ、すっきりとした子供部屋を創り上げることができます。

3階建てよりロフトがいい

ロフトには条件が3つあり、

  • 天井高が1.4m以下であること
  • すぐ下の階の面積の8分の1以内の広さであること
  • 固定した梯子を取りつけないこと

を満たしていれば、ロフトとして使用することができます。

 

結論をいうと、初期費用を考えても3階建てよりもロフトの方が安くなります。

それは施工する面積が増えるからです。

前述の通り、施工面積が増えるとその分コストは大きくなります。

加えて2階建てと比べて耐震性、耐火性などを向上させる必要があるため、費用が多くかかります。

また、維持費という面で、固定資産税はロフトの方がかなり安いです。

毎年かかるコストを減らすという観点でも、収納、書斎など、ちょっとしたスペースならば、ロフトの方が節約に向ています。

水回りを減らし、1箇所にまとめる

水回り関係も最小限に抑えることで、コストを安く抑えることが可能です。

浴室、キッチンを最小限にすることはもちろんですが、忘れがちになるのがトイレと洗面台です。

この2つだけでも50万円以上安くすることが可能です!

まず、節約をしたい場合、トイレも洗面台も1つにしましょう。

トイレには便座だけでなく、汚れがつきにくい床材、壁材を選ぶ必要があります。

通常のものと分けて選ぶ必要があるため、コストが割高になってしまうのです。

また、洗面台も1つにすることで余分なスペースをカットする工夫も必要です。

さらに最も重要なのが、水回りをなるべく近くにまとめることです。

浴室、キッチン、トイレ、洗面台の位置が離れれば離れるほど、施工費用は大きくなります。

それは、給排水管を長くしなければならなくなるためです。

長い給排水管を取りつけるだけで、素材費、施工費が高くなるので、節約をするなら1か所にまとめた方が絶対にいいです。

また、水回りを1か所にまとめることで、給湯設備の距離も縮まるため、ガス代も節約できます。

2階建ての場合は、洗面台のすぐ上にトイレが来るようにするなど、縦のラインで水回りが揃うように間取りを決めると、コストを下げることができます。

家具代を抑えるにはウォーキングクローゼット

ウォーキングクローゼットは家具代いらずで収納が可能になるので、特に洋服や大きな荷物がある方におススメです。

構造としては、60cm~70㎝幅が確保できれば、ハンガー掛けで洋服を収納できるようになります。

ハンガーが通常のものだと42㎝幅、ジャケットの寸法が60㎝幅なので、上記のスペースが確保できれば十分ウォーキングクローゼットの役割を果たしてくれます。

アタッシュケースなどの大きい荷物も収納でき、さらに使いたいときにすぐに使える利点もあるのでとても便利です。

通常の収納だと大きな荷物は出し入れが不便ですからね。

また、ウォーキングクローゼット内に化粧台を置いたり、縦鏡を設置すれば、クローゼット内で準備をすることも可能になります。

洋服とメイクの組み合わせも行いやすいですし、小物の収納も容易にできるので、おしゃれが好きな方にもおすすめできる間取りです。

家具も安いもので数万円、インテリア性の高いモノが良いものであれば10万円以上するので、ここを浮かすことが出来るのは非常に大きいです。

また、子供部屋と同じように、木材を多めに発注すれば大工さんに棚などを作ってもらえるので、コストの削減にも繋がります。

ただ、通常の間取りとは別にスペースが必要になったり、角にデッドスペースができやすい問題もあります。

間取りが余っている場合や、なるべく他の部屋をすっきりさせたい方にとっては節約もできるので非常に魅力的であると言えます。

間取りは削減せず、工夫により節約ができる

予算オーバーや予算が少ない方にとっては非常に頭を悩ませる削減箇所。

間取りはムリに縮小してしまうと快適性が損なわれたり、使い勝手が悪くなるデメリットがあります。

いくら予算内に収まったとしても、快適じゃなかったら失敗や後悔と感じてしまうリスクが高くなります。

そこで、外構や素材、設備を第一に考えて、それでも足りないときに間取りで工夫をするようにしましょう。

 

間取りで節約を行うポイントとしては、

  • 施工面積を減らす
  • 窓の数を減らす
  • 壁や仕切りを無くしてシンプル
  • 子供部屋をすっきりさせる
  • 3階建てではなくロフトに
  • 水回りを減らし、1箇所にまとめる
  • 家具代を抑えるウォーキングクローゼット

が挙げられます。

 

一生で一度の買い物になる方が多い注文住宅。

コストを気にして失敗や後悔と感じてしまうのももったいないので、様々な工夫を施して、予算内で、品質のいいマイホームを手に入れてください!