新築を建てようと思った方が必ずしていることは頭金の貯蓄です。
月々決まった積立を行っている方もいれば、切り詰めて少しでも多くの頭金をと頑張っている方もいらっしゃると思います。
新築を購入する際、よく「頭金がないと危ない」と言われます。
これが本当なのか、様々な視点から考察しました。
これからマイホームを購入しようと思っている方、将来的に新築購入を検討されている方はぜひ、最後までご覧ください。
目次
頭金0で新築予算を立てるのが危ないのはなぜ?
新築を建てる際、頭金0だと危ないと言われるのには理由が大きく3つあります。
1.返済できなくなる可能性がある
住宅ローンは借入総額に金利を加えた額が支払総額となります。
月々ごとに元金と利息を返済していきますが、
例えば、3000万円の借入をした場合と2000万円を借り入れした場合を見ていきます。
固定金利1.36%、返済年数を35年とすると、
- 支払総額約3772万円=月々89,811円の返済
- 支払総額約2514万円=月々59,874円の返済
と「頭金1,000万円の有無」で「月々の返済額は29,937円」も変わってきます。
約月30,000円と考えるとかなり大きいことがおわかりいただけると思います。
月々の返済額は少ないほうが支払えなくなる可能性は低いため、頭金が重要になるのです。
2.ローンの利息が大きくなる
支払総額はもちろん、借入額が大きくなるほど、利息も大きくなります。
上の例でいくと、
- 3,000万円借入した場合:利息は約772万円
- 2,000万円借入した場合:利息は約514万円
と、支払う利息にも約258万円もの差が生まれます。
利息に支払うことで、元金の減り具合も変わってくるため、このような差が生まれます。
35年という長い期間ではありますが「1,000万円」の違いで、その4分の1ほどの利息の差が生まれてしまうのです。
3.ローンが残っていたら家が売れない
支払いが厳しくなってきて、家を売ろうとしたとき、ローンが残っている場合は家を売ることはできません。
それは、売却をしても月々のローンは支払わなければならないからです。
ローンの残高が売れる金額よりも少なければ問題はありませんが、足りていない場合は支払いが継続します。
月々の返済が難しい中で、他に家を借りて、差額分を返済するのは非常に難しいです。
このように、月々の返済額と金利、ローン途中の売却ができないことが、頭金0で新築を買うのが危ないと言われる理由なのです。
頭金0では新築を購入できない?
頭金0で予算を組むことが危ないことは、返済額、金利、売却時が理由ですが、頭金0ではそもそも新築を購入することはできません。
それは、予算に充てるものは土地と建物の価格だけではないからです。
一般的に、予算の70%は土地と建物の価格に、残りの30%は諸費用に充てるとされています。
諸費用とは、「付帯工事費」と「その他の費用」です。
- 解体工事関連費用
- 造成工事費用
- 基礎補強工事費用
- インテリア、エクステリア関連費用
- 電気設備費用
- 登記費用や印紙代
- 住宅ローン手続費用や利息
- つなぎ融資費用
- 各種保険
- 各種負担金
- 式祭典
- 仮住まいにかかる費用
- カーテンやじゅうたん
- 引越し費用
- 引越し代
- バルコニーの屋根やカーポート
この諸費用のうち、その他の費用の部分は、ローンに組み込んでもらうことができないため、実費で負担する必要があります。
このように、ローンで支払えるものとそうでないものがあるため、頭金が0では新築を購入することができないのです。
予算の30%分は貯めて(最低でも15%分)から契約をするようにしましょう。
年収・職業によって借入額の上限が変わる
ローンの借入額は年収と職業によって上限が変わります。
また、これまでの返済履歴によって信用度が審査され、借入額の上限が決定されます。
一般的に、公務員や会社員の場合、
- 年収300万円→約1900万円
- 年収400万円→約3000万円
- 年収500万円→約4300万円
- 年収600万円→約5200万円
- 年収700万円→約6000万円
公務員や会社員でない場合、
- 年収300万円→約1700万円
- 年収400万円→約2600万円
- 年収500万円→約3700万円
- 年収600万円→約4500万円
- 年収700万円→約5200万円
と、されています。(※一般的なデータです。状況に応じて変動します)
借入額が不足する場合には、数年待って年収が上がってから借り入れを行うことで予算を確保することができるようになります。
将来を見据えた返済計画を立てよう!
住宅ローンの審査に通るかどうか、新築の予算が確保できるかどうか も大切ですが、一番大切なのは、「支払いができるかどうか」です。
せっかくの新築購入しても、
- 返済が厳しくて質素な生活をしないといけない
- 返済額をギリギリに設定したため、生活に余裕がない
など、カツカツの状態になってしまっては、せっかくの新築なのに自らの生活を苦しめる方向に向かってしまいます。
夫婦で協力して、初めの3年を乗り越えて、その後徐々に楽にしていくという計画が立ててあればいいですが、長期的な目線なくしてマイホームを購入することは自分の首を締めてしまうことにもなりかねません。
返済可能かどうかを、
- 月収
- ボーナスの状況
- リストラの不安はないか
- 健康状態はどうか
など、様々な視点から立てて、将来を考えた返済計画を緻密に立てるようにすることが大切です。
頭金なしの方がいいケースも
実は住宅ローンは「頭金なし」で借りてしまった方が得をするケースもあります。
頭金がない状態でローンを組んでしまってもいい方向に転ぶのは「金利が上がったとき」です。
金利はいつ、どのくらいになるかは誰も想定できません。
物価が上昇すると金利も上がる傾向にありますし、その逆も言えることです。
多くは金利が上がっていくという見方をする方が多いです。
その場合、固定金利なら現時点の金利で借り入れるほうが得をするのです。
例えば、過去に3ヶ月で金利が0.25%上がった例がありますが、これだけ金利が変わっただけで利息は約130万円増えてしまいます。
利息だけで約130万円増えてしまい、これを±0にしようと思うと頭金は約300万円必要です。
つまり、金利が上がってしまう前に300万円を貯めることができなければ損をしているということになるのです。
頭金なしで借入するなら徹底した返済計画を!
と、言う話をすると、「ラッキー!すぐに借りよう!」となってしまいますが、改めて頭金0では危険なことは変わりありません。
頭金0で借入を行うならきちんと返済計画を立ててからにしましょう。
まず、借入を行う学の目安は年収の5倍以内を想定しましょう。
ここを超えると、昇給がなかった場合、月々の返済がかなり厳しくなります。
その目安を元にして、
- 収入、生活費、ローンの支払い、諸費用などが将来的にどうなるか、貯金はどうなるかを想定する表のこと
- 土地と建物で70%、諸費用で30%の割合として、土地と建物の予算を計上する
- 諸費用に充てる金額が足りない場合は、建物代を大きくしてもらう(水増し)もあり
そして、各種保険の見直し、妻の出産のタイミング、子供の進学など、ライフプランと照らし合わせて将来設計からも支払い可能かどうかも見るようにしましょう。
1人の意見でマイホームの購入はできません。
夫婦が納得行く家族計画を立てた上で、借入するかどうかの判断をするようにしましょう。
まとめ
頭金0では、
- 月々の返済額が増える
- 支払う利息が増える
- 支払えなくなったとき、売却ができない
といった危険性があります。
諸費用は自己負担しなければならないため、
基本的に「貯金ゼロ」では新築を購入することができません。
しかし、諸費用の分の準備ができれば、残りは全額ローンというのもありです。
それは「金利が上がると頭金に必要な額が実質的に増える」からです。
頭金0で借入を行う場合は、
- ライフプラン表を細かく作成する
- 土地と建物に充てることができる予算を正確に計上する
ことが大切です。
また、いくら話し合いをしていても「自分がどれくらい借入できるか」を知らなければ、元も子もありません。
記事内の年収に対する借入額はおおよその目安なので、自分がどれくらい借りれるかどうかをチェックしておく必要があります。
そのためには、各銀行の仮審査を利用するといいです。
仮審査だけなら、信用情報に登録されることも、情報共有されることもないので安心です。
どのくらいの住宅ローンを借りられるか気になる方は一度、仮審査を受けてみてはいかがでしょうか?
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