新築を建てるには、きちんとした業者に依頼することがトラブルを避けるためには必須です。
マイホーム購入は生涯で一番大きな買い物になるため、1つのトラブルでせっかくの理想の新築が納得のいかない、後悔の残る買い物となってしまう場合もあります。
今回はハウスメーカーや工務店と依頼者の間に起こりうるトラブルの種類と対処法をご紹介します。
1つ1つ想定して、トラブルを未然に防ぐよう、上手に話し合いと手続きを行ってください!
目次
価格にまつわるトラブル
価格にまつわるトラブルは大きく3種類あります。
1.値引きトラブル
値引きすると言って、価格が抑えられたと言って一安心してはいけません。
値引きが原因で「手抜き工事」と「素材の質を落とす」が生じ、トラブルに発展するのです。
例えば、200万円の値引きが成立したとします。
しかし、200万円もの大金を簡単に値下げすることは非常に難しいのです。
土地・建物同時契約の場合は「土地の価格は業者が自由に設定できる」ため、そこから値引きされている可能性もあります。
しかし、問題は建物の価格から値引きをされている場合です。
建物の価格から値引きをされている場合、その額はメーカーの負担となります。
そこで、負担を最小限に抑えようと、
- 人件費の節約
- 素材のグレードダウン
が行われる可能性があるのです。
人件費が節約されることで、
- 腕のいい職人ではなく、ある程度の技術の職人が施工にあたる=技術不足
- 工期を短く設定する=突貫工事
という問題が生じ、結果的に手抜き工事となってしまいます。
また、素材のグレードダウンにより、
- シックハウス対策が最低限
- 素材の劣化が早い
などの工事不備が発生する場合があります。
2.坪単価トラブル
契約前の話では坪単価が30万円、坪数が50坪の土地が手に入り、いざ見積もりへ。
30万×50坪=1500万円 と思いきや、見積額が2000万円…。
「坪単価が10万円も増えているじゃないか!」
といったケースは営業マンの説明が不十分で引き起こるトラブルです。
しかし、営業マンだけの問題ではなく、それも踏まえてパンフレットや間取りを決める前の提示された坪単価はあくまで「おおよその単価」と把握しておきましょう。
これは坪単価を計算するときの「坪数」の認識の違いによりひこ起こされる問題なのです。
坪数と聞くと、土地の面積や建物の延床面積と考えるのが一般的ですが、坪単価にかけるのは、土地の面積でも延床面積でもなく、「施工面積(工事面積)」です。
施工面積とは、
- 吹き抜け
- バルコニー
- 玄関や勝手口のポーチ
- ロフト
- 天井
など、防水加工や仕上げなど工事が必要な面積をすべて含んだ面積のことです。
50坪の土地に建物を建てるからといって、単純に坪単価×土地面積した費用を想定するのではなく、少し多めに見積もって準備しておくようにしましょう。
3.工事代金支払いトラブル
依頼者と業者の認識の違いにより生じるトラブルです。
- 当初の見積もりの中に入っていた工事
- 無料のサービス工事
と思っていた「工事費が請求されてしまうトラブル」や「約束通りの家でないから工事費を払わない」という依頼者の主張によるトラブルのことを指します。
見積書の不備や認識の違い、間取り図の雑さが原因で生じるため、きちんと確認すること、書面で残すことが大切です。
このように、価格にまつわるトラブルは非常に多いです。
これらを防ぐためには、
- 値引きをして価格を抑えすぎようとしない(良い家には相応の費用が必要と割り切る)
- 坪単価に対する知識をつけておく(施工面積が大切。土地の面積や延床面積ではない)
- 知らない工事はきちんと確認する(思い込みで流さない)
- きちんと契約は書面で残す
が必要です。
位置、向き、場所にまつわるトラブル
設備の位置や向き、場所にまつわるトラブルには大きく3種類があります。
1.間取りのトラブル
「予定していた間取りよりも狭い」という場合は明らかに業者の不備であるため、訴追することができる可能性が大きいです。
しかし、もっと恐ろしい間取りのトラブルがあるのです。
それが「実際の間取りと出来上がりの間取りが違う」というものです。
これは話し合いの不足が原因で引き起こされるトラブルです。
- 契約前の間取りに納得して契約したものの、後から土地が見つかり、間取りが入らなくなってしまった
- 契約前の簡単な間取り図を見て、契約し、その後、土地の関係で間取りの変更を余儀なくされた
というケースが実際にあります。
間取りは家の快適性と暮らしやすさを左右するものであるため、きちんと間取りが入る土地が見つかり、具現化してから契約することでこのトラブルは防ぐようにしましょう。
2.家具の配置
打ち合わせと実際の備え付け家具の配置が異なるケースもあります。
理由としては、
- 建付けが悪く、傷が付く可能性がある
- 扉などが当たってしまう
- 業者間の連携ミス
という場合があります。
図面で想定することと、実際の現場で実行するのにはどうしてもズレが生じます。
寸法通りに入ることもあれば、若干ずれてしまうこともありえます。
このようなトラブルを防ぐには、現場に出向くことが一番です。
家具の取り付けは工期の終盤に行われる傾向にあるため、余裕のある方は仕事を休むなどして取付時に立ち会うようにしましょう。
工事の質にまつわるトラブル
現場でプロが行う仕事とは思えない工事の質にまつわるトラブル。
ニュースでたくさん飛び交う内容ですが、すべての業者でこのようなトラブルが生じているわけではありません。
とんでもない業者に当たってしまうと、このようなケースになりうるという位置でお読みください。
1.粗悪工事トラブル
出来上がりの家を見て、
- 出来栄えが悪い
- 職人の仕事の質が悪い
と粗悪工事と依頼者が言い張るトラブルです。
工事費の内訳や詳細を見積書や間取り図できちんと説明していないと起きてしまうトラブルですが、出来上がる前に気づいて止めることができるトラブルでもあります。
- 見積書や間取り図は正式な書面で受け取る
- 現場を業者に丸投げしない(定期的に見学に行くようにする)
ことで防ぐことができます。
2.手抜き工事・欠陥工事トラブル
中でも非常に恐ろしいのが「手抜き工事」と「欠陥工事」
家の耐久性や丈夫さに直結するものもあるため、非常に注意が必要です。
目に見える範囲であれば、把握できる可能性もありますが、
- 家を支える柱がない
- 基礎工事が法の基準を満たしていない
など、建物としてしっかりと立ち続けることが困難になる手抜き工事、欠陥工事があります。
これらは、素人目で判断できるものではありません。
- 専門家の調査でわかる
- 設計図の細かい部分を照らし合わせてわかる
というように、プロの力がなければ把握することができません。
そして、このトラブルは大手メーカーでも生じる可能性のある非常に危険なトラブルです。
防ぐためには、「設計書をすべてもらう」「施工中の様子を写真などに残しておく」ことです。
その後の調査の可能性を匂わせておけば下手に手抜きはできないはずです。
自らの家を守るのは自分自身。めんどくさがらずに、きちんと業者から受け取るようにしましょう。
法的にも対応しようがないトラブル
ここまでの内容は、
- きちんと話し合いをする
- 知識をつける
- 書面で残す
ことで対応ができるトラブルです。
しかし、法でも対応ができないトラブルがあります。
それが、「言った言ってないトラブル」です。
家全体の大きな部分でなくても、
- 追加工事トラブルの原因
- 家具トラブルの原因
- 間取りトラブルの原因
など、様々なトラブルの根源がこの「言った、言ってない」です。
いわゆる「口約束」は新築では絶対にしてはいけません。
- 担当者との打ち合わせ
- 現場での変更点の依頼
- オプションサービス
などは必ず書面として残すようにしましょう。
正式な書面でなくとも、立証できれば大きな強みとなります。
営業マンの中には、その場のノリで「サービスです」なんていう場合もありますから、注意しましょう。
業者任せは危険!トラブルを防ぐために必要なこと
業者に任せっきりにすることで生じるトラブル。
これらのトラブルから大切なマイホームと家庭を守るのは自分自身です。
トラブルを防ぐためには、
- 設計図と仕様書、見積もり書は徹底的にチェックをする
- 業者との綿密な事前打ち合わせを行う
- 約束はすべて書面で残す
- 現場に足を運ぶ
ことが必要です。
少しの工夫や、一度足を運ぶだけで釘を刺すことができます。
安心できる業者、担当者だからといってすべてを委ねてしまうとその隙をつかれてしまう可能性があります。
このような業者かどうかを見極めるために、業者選び、担当者の見極めが非常に大切になります。
トラブル回避のためにも適切な業者選びを!
新築時のトラブルは「依頼者側」と「業者側」の間で様々な原因で生じます。
依頼者側がきちんと管理をすることで、業者による悪質なトラブルを未然に防ぐ必要があります。
今はネット社会であるため、下手なことをしてしまえば一気に悪評が広まり、会社に傷がつくため、業者もあからさまにひどい仕事はしないように思えますが・・・
それでも後を絶たないのが「住宅のトラブル」なのです。
依頼するものとして、
- 最低限の知識
- 節度
を持った中で接し、
- きちんと書類として残す
- 書面はすべて受け取る
- 現場に行く
- 写真や動画で証拠を残しておく
ことで業者の質の悪い仕事を未然に防ぎましょう。
そして、なにより、そのような悪い業者を選ばないことが絶対条件です。
少ない業者の中から選ぶのではなく、しっかりとした業者を複数選定し、
- 納得のいく条件
- 担当者がいい
- 信頼できる業者
に依頼をするようにしましょう。