新築に求めるものは人それぞれ違います。注文住宅であれば、なおさらです。
そんな依頼者の夢を現実のものとして形にすることが業者の仕事でもあります。
その架け橋となるのが「営業マン」です。
- 理想の家を手に入れる
- トラブルなく家が建つ
- 納得のいく条件で契約する
これらには「良い営業マン」についてもらうことが必須条件です。
そこで今回は「営業マン」にスポットを当てて、営業マンの見極め方と対処法を徹底解説します。
目次
営業マンが抱える問題とは?
業者と一言で言っても、様々なこだわりを持った業者があります。
その中で営業マンの存在はとても大きいです。
営業マンは基本的に「ノルマ」に追われて仕事をしています。
営業マンのノルマには、
- 月単位
- 四半期単位
- 年単位
があり、それぞれの期間に応じて報酬が支払われています。
それぞれの単位のノルマを達成できない営業マンは、
- 給料を下げられる
- ボーナスが減額される
- ボーナスがもらえない
となってしまうため、必死に契約を取ろうとします。
中には「悪質な手を使ってでもなんとか契約を…」なんてひどい営業マンも。
すべての営業マンがここだけにこだわっているわけではありません。
本当に依頼者のことを思って活動をしている営業マンの方が多いでしょう。
しかし、世の中にはそうとは呼べない営業マンもいるのです。
このように営業マンは「常に数字に追われている」ことを理解しておきましょう。
それでは、営業マンの注意点と対処法についてご紹介します。
話を聞かない、聞き入れない営業マンには注意!
まず、人としての部分になりますが、
- 依頼者の話を聞かない
- 要望を聞き入れない
これらに該当する営業マンは絶対に避けましょう。
営業マンとは、
- 依頼者の希望を形にする
- 依頼者の「いいな」を現実にする
架け橋となる位置に立っています。
しかし、依頼者が、「こんな間取りがいい」と言っても、うなづくだけで全く違う間取りを提案してくるというケースもあります。
また、一旦持ち帰ってから後日出してきた間取りに「要望が取り入れられていない」場合もあります。修正依頼をしても「できません」の一点張り。このような営業マンは避けるべきです。
その場の「できません」はもちろんのこと、持ち帰ってからも「できません」と続ける営業マンは、基本的に持ち帰っても上司や設計士に相談していないと思われます。
このような意見を聞き入れない営業マンと当たったときは業者比較で対処するのが効果的です。
「他の業者はこう提案してくれた」と図面と見積もりがあれば動く可能性があります。
言葉足らずな営業マンは危険!
コミュニケーションが取れない営業マンは早々に営業を辞めているため滅多にいませんが、次のような営業マンには注意が必要です。
1.説明が不十分
こちらの質問に対し、返答が不十分な営業マンは悪い営業マンです。
多くの業者では「マニュアル」が準備されており、質問に対する模範解答が準備されています。
その模範解答ばかりの返答をする営業マンは知識が不十分です。
家は素人では把握できないほど様々な縛りがあります。
その担当者が勉強不足ではいい家が建つはずがありません。
マニュアルを覚えることが仕事ではなく、いい家を建てるための知識をつけることが営業マンのするべき仕事なのです。
そのような努力をしていない営業マンは、
- 口がうまい
- お世辞がうまい
- その場のノリで切り抜けることができる
可能性があるため、相手の話術にハマってはいけません。
1つ建築にまつわる質問をしてみて「法律に定められていて、クリアしているので大丈夫」程度で終わる営業マンは明らかな知識不足と認識し、早々に担当者を変えるか、他業者と比較するようにしましょう。
2.はっきりしない(明確に答えない)
依頼者の質問に対してはっきり答えない営業マンも避けた方がいいです。
これは後々トラブルに発展することが多いからです。
営業マンがきちんと説明をしなかったり、書類に残さない口約束をしてしまったりすることで、
- 工事費の追加請求が来る
- 打ち合わせと出来上がりが違う(間取りや外観など)
- 要望が伝わらないことも
というトラブルが起きる可能性があります。
トラブルが起きたときに被害を受けるのは基本的に依頼者です。
質問に対するマニュアル的な解答はもちろん、はっきり答えない、明確な発言を避けている営業マンは避けましょう。
3.会社の理念を理解していない
これは住宅関係の営業マン云々ではなく、1人の企業人としてまずいです。
- 自社の特徴が言えない
- 自社のこだわりが言えない
- 言えても話がズレている
という場合は、明らかな経験不足と判断しましょう。
自社の商品のウリやこだわりを明確にわかりやすく言えない時点で、営業マンとは言えません。
人柄等に流されないように、きちんと「仕事ができる人物」かどうかを判断基準に起きましょう。
これらを判断するために、事前に質問する内容を決めておくとスムーズに判断できるでしょう。
- 業者に関すること
- 住宅の基礎知識
- 家に対する要望
の3点はまとめてから業者と打ち合わせに臨むようにしましょう。
要望に対するリアクションで見極める!
いい営業マンを見極めるために、要望にもこだわりを持って話し合いに望みましょう。
要望とは、
- プランにない間取りや外観にしたい
- もう少し間取りを広くしたい
- 土地や建物の条件を変えたい
などです。
こういった他との違いが生じる要望に対して、営業マンがどうリアクションを取るのかも営業マンの力量を判断するのには効果的です。
いい営業マンは頷きながら話を聞き、どう改善すれば要望を叶えられるかを考えます。
悪い営業マンは話だけを聞いて、結論は
- それはできません
- やるにはオプションになるので別に費用が必要です
という解答をするでしょう。
要望が無理なものであれば、そう言わざるを得なくなるので、力量を確かめるためにも変更可能なポイントを見定めて、確認するようにしましょう。
※業者によって変更できる箇所に限りがあるため、業者ごとにチェックが必要です。
また、その場では良い営業マンであったとして、間取り図や設計図の修正を必ず依頼し、次の打ち合わせて見せてもらうようにしましょう。
いわゆる「口約束」で終わらせずに、きちんと書面で残すためです。
これをきちんとして、要望が取り入れられている営業マンであれば、かなり信頼がおけると言えるでしょう。
モニター当選、キャンペーンの言葉に騙されない!
モデルハウス等に参加してアンケートに答えたり、業者を訪ねて検討している旨を伝えるとかなりの確率で行っている「モニター当選」と「キャンペーン」
これらは基本的に随時実施されており、営業マンが悩んでいるお客さんを契約に向かわせるための「最後の一押しとして使うテクニック」です。
ただ、分かっていてもこれらの言葉を聞くと「今、申し込まないと損をしてしまう」という感情になってしまいます。しかし、よく考えてみると決して損ではないのです。
例えば、10万円のキャンペーンだったとしても、新築を買うためのお金と比べるとかなり安いです。
そしてその10万円に釣られて契約してしまい、納得行くマイホームが建たなかったら…
10万円の損どころじゃ済まなくなります。
それにこのキャンペーンくらいの金額であれば、徹底的な業者比較や住宅ローンの比較で浮かすことができる金額でもあります。
目の前の「得」に飛びつかず、未来の安心安全な暮らしに目を向けていきましょう。
見積もり期限や工期を理由に契約を迫るのも要注意
営業マンの一押しの方法として「期限の短縮」があります。
- 見積もりには1週間くらいかかる
- 工期は半年くらいかかる
という会話をしていて、思うように話がまとまらなかったときに、
- 3日以内に見積もりを出します
- 工期は3ヶ月で行います
と言ったように期間を短くしてくる場合があります。
これは非常に危険です。それは、
- 依頼者の希望が実現できなくて迷っているのに、短い期間でいい提案が浮かぶ確率は低い
- 工期の短縮は手抜き工事や欠陥工事を生む
可能性が高いからです。
営業マンは基本的に契約を急かしてくるため、要望と合わないときは「いろいろ検討します。疑問点等がない状態で納得して契約したい」ときちんと伝えた方がいいです。
上手な営業マンの対処法
これらを踏まえて、上手な対処法で営業マンをきちんと見極めるようにしましょう。
営業マンを見極めるポイントは、
1.正直に予算を伝えない
予算が大きいとその分、好条件を進めてきます。
予算と言えども工事費に当てられるのは予算の70%ほどなので、予算オーバーにも対処できるように伝えるときはそれよりも少ない額で提示するようにしましょう。
2.余裕を持って話を進める
1のように予算に余裕を持つことはもちろん、時間的な余裕も必ず持っておきましょう。
- 話し合いの時間が30分しかない
- すぐに新築を建て始めてほしい
となっていては、いいマイホームを建てることはできず、営業マンの術中にハマってしまいます。
3.いいにくい質問をあえてぶつけてみる
- その業者の工法の欠点や問題点
- 提案された間取りの問題点
- 業者のこだわり
などの質問をするようにしましょう。
自社の悪い部分は隠そうとするものですが、それも含めて丁寧に質問してくれる営業マンは非常に信頼できる人物と言えるでしょう。
4.値引き交渉を行ったときの反応を見る
値引き交渉を行ったときの営業マンの心理を読みましょう。
- 強気の営業マン。スタートの価格で水増ししている可能性がある
- 本当に予算がギリギリの可能性が高い
など、リアクションから営業マンの心理は読めます。
しかし、営業マンはこの手の「値引き」はすでに経験済みですし、「値引きの話が来る」と準備して話し合いに臨んでいるはずです。
先に見積もりを聞いて、その後に間取り等の別の話をして、唐突に話を切り出したほうが本心が見えるはずです。
いきなり聞かれて上手にリアクションを取れる熟練者もいますが、突発的な値引き話に動揺する営業マンもいるはずです。その一瞬を見極めにいきましょう。
また、簡単に「額」を値引きせず、設備やオプションのグレードアップをしてくれる担当者は意外と信頼できます。
業者内で「ここまでのグレードアップはOK」と切り札として準備している可能性もあるので、どこまでいけるかを上手に引き出していきましょう。
5.予算内に収めようとしてくれるか
営業マンは契約額が高ければ高いほど、報酬が増える仕事です。
悪い営業マンにあたってしまうと、予算オーバーは当たり前と言わんばかりに、どんどん「いい設備」「いい素材」などの条件を提示してきます。
そこで「予算オーバーでこれ以上出せない」と切り出したときに、
「なんとか予算内でやってみよう」と一緒に考えてくれる営業マンは良い営業マンです。
要は、「自分や会社のことを一番に考えるか」「お客さんを一番に考えるか」の違いです。
サービス業だからこそ、相手を喜ばせる精神はとても大切。
予算の話をしたとき、依頼者の提示する予算内に収めようとしてくれるかどうか?
この部分も営業マンを見極めるのに非常に重要なポイントになります。
まとめ
営業マンと言えどもその差は非常に大きいです。
いい営業マンと出会うことで、理想を叶えてくれたり、夢が現実のものとなったりします。
一方で悪い営業マンに当たってしまうと、トラブルが起きたり、後悔が残ったりします。
このような事態を防ぐために、
- 営業マンの特徴を知ること
- 営業マンの見極め方を知ること
- 上手に営業マンに対処すること
を把握することが必要です。
その上で、期間に余裕を持って業者を選定するようにしましょう。
まずは、複数の業者に見積もりを依頼して、話し合いの機会を設け、営業マン慣れしておくことも大切です。