注文住宅では様々な設備にメーカーが推奨する標準仕様が設けられています。
中でもキッチンの設備は非常に重要な設備の1つです。
毎日使う場所でもありますし、主婦の戦場と形容されるように使いやすさが最も重視される場所の1つです。
しかし、最新の設備でそろえようとなるとコストもそれなりにかかってしまうので、非常に悩む部分でもあります。
そこで今回は注文住宅でのキッチン設備の選び方について、耐用年数やコストを抑えるための方法などをご紹介します。
これから注文住宅でマイホームを購入しようと思っている方はぜひ参考にしてください。
目次
キッチン設備は型落ちがおすすめ
キッチン本体の耐用年数は使い方やお手入れの頻度によっても異なりますが、15年から20年です。
そのため、小さなお子さんがいるご家庭では子どもが大きくなったらちょうどリフォームを考えるタイミングになると言えます。
最新のキッチン設備は非常に効率的な家事を可能にしてくれますが、非常に価格が高いという問題もあります。
そこでおすすめなのが型落ち設備を導入することです。
キッチンを始め、各メーカーはどんどん新しい商品を開発しています。
コストを抑えながらも様々な機能を付けて販売をしているので、魅力的に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、新しいものが発売されると同時に、1つ前の最新設備は型落ち扱いになってしまいます。
機能性がそこまで変わらないのに価格が数万円も安いといったケースが非常に多いのです。
そのため、節約を考えている方は型落ち商品を狙って購入することをおススメします。
施主支給も魅力的
キッチンの設備はネットショップなどで取り扱うケースが増えてきました。
そのため、設備だけ購入して設置を依頼する施主支給という方法を取る方も増えてきています。
設備には標準価格がありますが、中間マージンなどにより価格は高くなってしまう傾向にあります。
しかし、アウトレットや型落ち商品を施主支給すればコストを抑えることも可能です。
しかし、中古品はあまりおすすめできません。
それは、中古の場合は導入してもすぐに壊れたり、不具合が生じてしまう恐れがあるからです。
キッチンの設備にはそれぞれに耐用年数があるため、中古品を購入してしまうとその分、修理や交換時期が早まってしまうというデメリットがあるのです。
そのため、新品のアウトレットや型落ち商品を導入することをおすすめします。
キッチンのリフォームは非常に多い
キッチンの耐用年数は15年から20年とお伝えしましたが、実はこのタイミングでリフォームをする方が非常に多いです。
キッチンをリフォームする理由としては、
- 子どもが大きくなり生活スタイルが変わった
- 間取りを変えたくて位置を変更したい
- 部屋の雰囲気を変えたい
など様々なです。
そのため、最新の設備を取り入れてもリフォーム時には廃棄処分しなければならないケースも出てくるのです。
仮に、それまで使い続けていたものを取り付けるとしても、各部位の耐用年数が経過してしまうと結局買い替える必要が出てきます。
そのため、キッチンのリフォームをする可能性があることを考慮しても、最新設備にすると結果的に損をしてしまうことに繋がるのです。
キッチン設備の耐用年数
リフォームも考慮して設備を考える必要のある注文住宅のキッチン問題。
大切になる知識として、キッチン設備の耐用年数を知ることが必要になります。
キッチンには様々な設備がありますが、中でも一般的なものに絞ってご紹介していきます。
1、天板やシンク
耐用年数はキッチン本体よりも短い10年ほどで交換する方が多いです。
毎日使用する場所でもあるため、その分劣化が激しい場所であるとも言えます。
汚れや傷がつきやすく、お手入れが欠かせない場所ではありますが、どれだけ気をつけていても使用した分だけ劣化は進みます。
そのため、天板やシンクの交換は他と比べても非常に短いスパンで行う方が多いです。
2、レンジフード、換気扇
耐用年数は天板やシンクと同じ10年ほどが目安と言われています。
天板、シンク同様に使用頻度が高いことに加え、油汚れがびっしりついてしまいます。
定期てなお手入れがしにくい場所であるため、耐用年数が短いです。
また、異音や挙動がおかしくなった場合は交換や修理が絶対に必要な場所でもあります。
つかなくなると部屋の中に調理の臭いやごみの臭いが充満してしまうことにも繋がります。
3、水栓、排水管
上記の4点と同様に、耐用年数は10年が目安です。
蛇口から水漏れをしてしまったり、排水管からの水漏れが発生する恐れがあります。
特に生ごみや髪の毛が詰まってしまった場合などに起こりますが、気をつけていてもこれらの症状を引き起こしてしまう場合が多いです。
また、水漏れだけでなく臭いの原因となる恐れがある部分でもあります。
食べかすや油、熱湯などを流すことによりこれらの問題が起きやすくなっています。
劣化の進みも早い上に、お手入れも難しい場所ですが、故障してしまうと水漏れなど生活に支障をきたす恐れがある部分なので、適切な時期の交換が必要になります。
4、ガスコンロ
耐用年数は10年から15年と言われています。
これは使用頻度や使い方、お手入れの仕方によって異なる部分になるため非常に判断が難しい部分でもあります。
火のつきが悪い、ついてもすぐに消える、火力調整ができないなど故障には様々なものがあります。
異音がする場合はガス漏れの危険性もあるため、家事などのトラブルに繋がる恐れもあります。
また、油汚れが頑固な部分になるため、他の部分と一緒に交換される方が多いです。
5、IHクッキングヒーター
ガスコンロと同じく、10年から15年が目安です。
故障が原因となる場合が多く、温まらなくなったり、異音がするケースが多いです。
IHは、ガスコンロ以上に清潔さを心がける必要があります。
それは、IHの天板の汚れが故障の原因となる場合が多いからです。
キッチンの天板に汚れが移ってしまったり、フライ版や鍋の底に汚れが付着してしまう恐れがあります。
それに気づかずにシンクやワークトップに置いて汚れが広がるというケースも多いのです。
そのため、場合によっては10年未満での天板やシンクの交換を行わなければならなくなる場合もあります。
リフォームタイミングから考えても最新設備はおすすめできない
キッチン設備の様々な耐用年数をご紹介してきましたが、まとめると、キッチン本体は15年~20年、その他の設備は10年~15年です。
そのため、キッチンリフォームの適切なタイミングは取り付けてから20年が1つの目安と言えます。
その間、本体以外の設備を1度交換して、20年後にまとめて取り換えるといった形を取るのが非常に効率がいいです。
つまり、最新の設備を購入しても10年で交換をしなければならないということになります。
注文住宅を購入される方の年齢は30代から40代の方が多いという統計データがあります。
まだまだ若い年齢なので、少し機能性が劣るくらいであれば全く気にならずに使えるという方も多いのではないでしょうか。
また、会社員の方であれば、10年、20年と努めていけば勤続年数に応じた昇給も見込めると思います。
歳を取ってから最新設備を導入することは家事への負担はもちろん、身体的にも精神的にも負担を和らげることにも繋がります。
そのため、注文住宅購入時は型落ち商品にしておいて、リフォーム時に最新設備を導入するようにすることで、資金を貯めることができ、なおかつリフォーム時に快適性をより実感できるようになります。
このように、キッチンはリフォームをしなければならない箇所でもあるため、将来を見据えた上で取り入れる設備を考える必要があるのです。
キッチン以外にお金をかけたいところ
キッチンの設備を最新のものから型落ち商品にすることで、物にもよりますが数十万円を浮かせることができます。
その浮いたお金で他の部分にお金をかけ、快適な空間を手に入れることも可能です。
ここでは、数十万円の予算で取り入れられる間取りをご紹介します。
1、2つ目のトイレを設置する
トイレは1つあたり、床材や壁材を含めて30万円ほどが相場です。
4人家族の場合、通勤や通学の時間帯が同じになると朝のトイレは取り合いになりますよね(汗)
なので、1つよりも2つあった方が便利なので、こちらに回すのも快適性の向上に繋がります。
2、フローリング材の変更
特にリビングの床材はしっかりとしたものにした方が失敗や後悔が少ないです。
1つグレードを上げるくらいなら20万円ほどあれば十分です。
また、吸収性が高く、汚れが落としやすいクッションフロアを床材の上から貼るのもおススメです。
足元が温かくなりますし、食器を落としても割れにくくなるメリットがあります。
クッションフロアは貼り付ける面積にもよりますが、10万円から取り付け可能です。
3、バルコニー
敷地面積が少ない場合、洗濯物を干すのに必須ともいえるバルコニー。
こちらも数十万円の費用で取り付けることができます。
その際、面積を多くとらず、必要最小限に抑えれば、キッチン設備で節約したお金で取り付けることも可能です。
また、喫煙者のいるご家庭では、部屋の中を禁煙にすることもできるのでおススメです。
4、庭
庭の植林やガーデニングなども数十万円で十分なものを作ることができます。
部屋の中から見る景色の印象を変えることができるため、ゆったりくつろげる度合いを引き上げることにも繋がります。
5、壁材のグレードを上げる
デザイン性の高い壁紙への変更も数十万円あれば十分可能です。
壁紙は統一することでコストを抑えることができますが、リビングや子供部屋、寝室と壁紙にこだわりたい部分もあると思います。
そのような場合でも、キッチン設備を抑えることで好みの壁材を各部屋に採用することができるようになります。
このように、キッチンの設備をグレードダウンさせることにより、間取りにプラスできる部分は非常に多いです。
毎日使う場所だからこそ、最新設備を導入して快適性と使いやすさを重視したいという気持ちもとてもわかります。
しかし、予算は限られていますし、正直なところ、1つ前の商品でも十分に使いやすいものはたくさんあります。
最新設備が販売されるまでは、型落ち商品が最新設備だったわけですしね。
また、2つ前のグレードでも十分に使えるものも存在しています。
とにかく安くするために古い仕様のものを使う必要はありませんが、キッチン設備は様々な機能がついているものが多いです。
そのため、絶対に必要な機能を重視して、必要のない機能やあまり使わない機能の設備を避けることでもコストの節約にもつながります。
限られた予算の中で、失敗や後悔を未然に防ぐには適切な部分にしっかりとお金をかける必要があります。
キッチン設備を調整するだけで上記のように間取りをプラス1することもできるので、ぜひ参考にしてください。
キッチン設備を節約して、家の性能を向上させよう
最新アイテムの開発スパンが非常に短くなってきている現在のキッチン設備事情。
季節の変わり目ごとに最新商品が発売されているので、最新設備を導入したいという方も多いのではないでしょうか。
しかし、キッチンの耐用年数は15年から20年、他の設備でも10年から15年が目安です。
加えて、家は20年、30年、40年と長く生活を送る場所でもあります。
つまり、キッチンのリフォームは心地よい生活を送り続けるために絶対に必要になってくることでもあります。
そのため、最新設備を導入しても10年経てば交換の必要が出てきてしまいます。
そのため、注文住宅購入時は型落ち商品やアウトレットにしておいて、リフォーム時に最新設備に切り替えるというのも1つの方法です。
また、施主支給という方法でもコストを節約することができます。
節約した費用で、
- 2つ目のトイレ
- フローリング材や壁材のグレードアップ
- バルコニー
- 庭
など、別の間取りを設置することもできます。
家族でしっかり話し合って、必要な機能を搭載したキッチン設備選びをすることが失敗や後悔を未然に防ぐ方法であると言えます。
購入後の生活や、10年後、20年後を想定して後悔のないキッチン設備選びを行ってくださいね!