マイホームはほとんどの方が人生で一度きりの非常に大きな買い物になります。

テレビや車、冷蔵庫などいろいろなものを購入して人生を送っていきますが、注文住宅となると非常に金額が高いです。

その分、慎重に購入する方が多いですが、思わぬところに落とし穴があり、失敗や後悔をしてしまう方が多いです。

そこで今回は、注文住宅の契約時に注意するべきことについてご紹介します。

価格交渉や契約内容、書類のポイントなど詳しくお伝えします。

これから注文住宅でマイホームを建てようとお考えの方はぜひ、参考にしてください。

 

価格交渉、コストダウンについての相談は契約前に行う

土地や建物そのものの価格交渉やコストダウンは契約締結後は基本的に変更ができません。

間取り図や素材などを決め、業者側が発注する前であれば変更が効く場合もありますが、業者もスピードを意識して施工にあたるため、

発注業務も非常に速いです。一度発注をかけた後にキャンセルとなると、業者側としても余計な費用がかかるので、基本的には対応をしれくれない業者が多いです。

契約前であれば、業者は積極的に話し合いに応じてくれます。

業者の利益計上の仕方は、工事全体で利益が上がるかどうかがポイントになります。

土地、建物、外構、内装、設備などの細かな項目ごとに利益が出るかどうかの計算はしません。

なので全体で利益が出る範囲内では価格の相談にも応じてくれるので、積極的に相談をするようにしましょう。

また、素材や設備のグレード、間取りの変更などの相談も可能です。

ただし、契約が一度決まってしまうと態度の変わる業者も中にはあります。

決まったものを変更となると、工期も伸びてしまいますし、打ち合わせによりさらに人件費も必要になりますからね。

なので、価格に関することについては、契約前にしっかりと相談しておくことが大切です。

支払い回数は分割にする

以前は建物が完成した際に一括して支払いを行うことが主流でした。

しかし、この支払方法では業者によっては資金不足に陥る場合があり、従業員にお給料が払えず倒産してしまうケースもありました。

家を建てる作業は非常に長い期間が必要になるので、数カ月物間収入がない状態になってしまうからです。

そこで現在は、工事の進捗状況に応じて支払いを行う「出来高払い」を取っている業者が多いです。

 

  • 工事請負契約時20%
  • 着工時25%
  • 上棟完成時30%
  • 建物引渡時35%

のように、細かく分けることで業者側と依頼者側の双方の負担が減るように調整されています。

 

なお、この割合は住宅業界で決められているものではなく、業者によって決められているため、事前に確認することが必要です。

その際、注意しなければならないのがこの割合のバランスです。

工事の途中で業者が倒産してしまったり、契約上のトラブル、業者間でのトラブルなどの理由で工事が中断されてしまうケースがあります。

仮に業者側から契約解除の申し入れがあった場合、他の業者に引き継いで工事を依頼しなければならなくなります。

ここで問題になるのが、支払った費用は返還されないということです。

なので、支払っていない手元に残ったお金で、別の業者に依頼をしなければならなくなるのです。

予算に余裕のある方であれば対応はできますが、予算がギリギリの場合は資金調達ができず、マイホームの建築が大幅に遅れてしまうといった時代にもなりかねません。

そうなると、進捗状況以上の費用を支払ってしまうと大きな損をすることになってしまいますよね。

なので、出来高払いの契約時には、進捗状況にあった割合での契約条件かどうかをチェックすることが大切です。

焦らず妥協せずに契約を結ぶ

注文住宅で失敗や後悔をしてしまう方の多くは、契約内容に納得がいかない部分がありつつも契約をしてしまうというケースの方もいらっしゃいます。

業者も売り上げが経たなければ経営することができないので、かなり急いで契約を迫ってくる業者もあります。

契約が早く済めば依頼者としても早く済み始めることができますから、メリットは大きいです。

しかし、契約内容をじっくり確認し、少しでも気になるところがあれば焦らず、妥協せずに変更依頼や相談をするようにしましょう。

それをしないと、住み始めてから失敗や後悔を感じてしまう結果になる可能性があります。

また、前述の通り、契約を結んでしまったら変更や交渉に応じてくれない業者も多いです。

家造りが遅くなることよりも、違和感を感じながらも完成を待ち、ストレスを抱えながら生活を送る方が絶対によくありません。

契約時に確認するべきことはまだまだたくさんあります。

なので契約は詳細も含めて確認し、きちんと納得してから結ぶようにしましょう。

設計監理業務委託契約の確認

設計監理業務委託契約とは、住宅設計や施工管理についての交わされる契約です。

 

  • 窓や照明、扉などの位置や大きさ
  • 部屋の寸法
  • 住宅の向き
  • 工事進行の手順

など、詳細な家造りの過程を打ち合わせ時に説明をすることが業者には義務付けられています。

 

このときポイントになるのは、書面での契約がされないケースが多いことです。

設計監理業務委託契約には説明義務は課せられているのですが、口頭説明でもこの契約がなされたことになるのです。

特に丁寧な説明をしてくれない担当者の場合、依頼者と業者側での認識のズレが生まれやすくなります。

家造りの知識って、素人では把握できないほど繊細で複雑ですからね。

なので、依頼者が「話と違う」「イメージと全然違う」と思っても泣き寝入りになってしまうことが非常に多いんです。

分からないことや不安に思うことはしっかりと相談し、納得をしてから契約をする必要があります。

また、遠慮せずに書面での提示を求めるとこのような事態は回避できるので、業者に書面の作成を依頼するようにしましょう。

着工日・引渡日が明記されているか

見落としがちなポイントとして、着工日と引渡日の明記の確認があります。

特に書類上でこちらの記載はしっかりとされている場合が多いのですが、具体的な日付が明記されていないケースもあります。

例えば4月中と書かれていた場合、1日でも30日でも4月中は4月中ですよね?

業者サイドからすると「4月中」とすることで1ヶ月も猶予のある状態になるのです。

しかし、依頼者側には引っ越しのための荷造りや、住んでいるアパートやマンションの解約などの手続きを行う必要があります。

具体的な日付が入っている場合は手続きや準備を行うことができますが、入っていないと契約解除がスムーズに行えません。

特に賃貸の場合は、1ヶ月前に契約解除を申し入れる必要があるケースが多いので、具体的な日付の明記がないと思わぬ損をしてしまう恐れが出てくるのです。

また、なんらかの理由で引渡日に入居が出来ないケースもあります。

その際は遅延賠償請求を行うことができますが、この請求は引渡日を基準に賠償額が計算されるので、引渡日に具体的な日付が入っていないと、満額の賠償を受けられないこともあるんです。

なので、具体的な着工日と引渡日が明記されているかどうかはしっかりと確認し、リスクを未然に回避することが大切になります。

アフターサービスや保証内容は書面での契約を

基本的にアフターサービスや保証に関しては、どの業者でも行っています。

注文住宅の場合、様々なものがあり、どれも期間が長いことが特徴です。

そのため、口頭での確認ではなく、契約内容を書面でしっかり残すことがポイントになります。

どれだけ評判のいい業者でも、不具合のない家に100%なるとは言い切れません。

問題が起き、対応を依頼して「保証対象外です」と言われてしまっては、もう太刀打ちができなくなってしまうのです。

特に口頭の契約の場合、前述と同じで認識のズレが生まれやすいですし、「言った・言わない」論争に発展するケースが非常に多いです。

なのでアフターサービスや保証内容も書面でしっかりと残すことをおすすめします。

契約解除・違約金についても確認

契約解除の申請は、タイミングにより違約金が発生するケースがあります。

出来高払いの割合にも価格差があるため、違約金も業者によって大きく差があります。

もちろん、業者側に完全な落ち度があっての契約解除の場合は、工事されていない部分についての返金はなされます。

ただし、依頼者側に契約解除の理由がある場合はまず違約金を支払わなければならないことになるでしょう。

着工してしまっている場合はもちろん、工事が始まっていなくても部品、素材などの発注が終わっているケースも考えられます。

注文住宅の契約を行うときは、「契約解除なんてしない」とは思っていても、100%とは言い切れません。

なので、保険をかける意味でも、契約解除、違約金については書面でしっかりと確認するようにしてください。

見積内容の確認

業者の作成する見積書ですが、業者によって丁寧さに開きがあります。

 

なので、

  • 項目ごとに分かれているか
  • どこに何が必要が明確になっているか
  • 具体的な記載があるか

をしっかりと確認するようにしましょう。

 

例えば、「床材一式 100万円」「壁紙一式 80万円」だけだと、どの部分にどのくらい必要なのか全くわかりませんよね?

「床材 ナラ リビング 50万円」のように具体的な記載のある見積書を作成してくれる業者は信頼感が上がりますよね。

明確な記載がされた分かりやすい見積書は、業者の良し悪しを判断するポイントでもあります。

お客さんが分かりにくいこと、不明確なことをなくすという心遣いの表れでもありますからね。

 

このように明確な記載がされていると、

  • 依頼してない素材や部品
  • 頼んでない設備
  • 無料でつけるといったサービス

これらの有無も把握しやすくなります。

 

書類上に形として残っていない契約は、思わぬトラブルに発展する可能性があります。

見積書の分かりやすさもポイントとして抑え、分からないところや不明確なところはしっかり業者に説明を依頼するようにしましょう。

しっかりと比較をして決めること

注文住宅では業者ごとに様々な部分で差が出ます。

出来上がる家はもちろん、これらの契約に関しても対応の丁寧さや書類への記載など、細かい部分でも大きな差となって現れてきます。

契約で大切になるのは信頼関係です。

その信頼関係を築くのに大切なのは、安さや都合のいい条件ではないのです。

しっかりとした説明や、きちんとした書類への明示、そして何より担当者の心遣いが見られる対応があるかどうかです。

依頼者側にもマナーはありますが、業者側としてもマナーもあります。

悪い業者に当たってしまうと高い確率で失敗や後悔が生まれてしまうので、しっかり業者間で比較をして、本当の意味でいい業者に施工を依頼するようにしましょう。

契約時の確認は非常に大切!

注文住宅の契約時に確認しなければならないことは非常に多いです。

業者側がしっかりと分かりやすい形で契約を進めてくれればいいのですが、対応もピンキリで非常に差があります。

思わぬ失敗や後悔に繋がらないように、依頼者側が注意しておくことは非常に大切です。

 

確認するべきことやポイントとしては、

  • 価格交渉、コストダウンについての相談は契約前に
  • 支払いは分割、割合にも注意
  • 焦らず妥協せずに契約を
  • 設計監理業務委託契約の確認
  • 着工日、引渡日の具体的な記載
  • アフターサービスや保証内容は書面で
  • 契約解除・違約金
  • 見積内容

があります。

 

見落としがちなポイントもあるので、しっかりと確認し、満足度の高い家造りを行ってくださいね!