家の中で最も重要と言っていい間取りでもあるリビング。
快適なリビングは家族で過ごす時間を穏やかで笑顔がたくさんの時間へと変えてくれます。
しかし、リビングで失敗をしてしまうと、
- 家族が集まらない
- 使い勝手が悪くイライラする
- 毎日動くのがめんどくさくなる
など、大きな問題が生じてしまいます。
特に毎日使うところであるからこそ、失敗や後悔を感じてしまいやすい場所であるとも言えます。
そこで今回は注文住宅のリビングづくりのポイントをご紹介します。
リビングの用途や設備の決め方、そして設計の注意点も合わせてご紹介します。
これから注文住宅を購入しようと思っている方はぜひ参考にしてください。
目次
リビング設計の注意点!用途を視野に入れよう!
リビング設計において、注意をしなければならない点はリビングの用途です。
以前は、家族団らんの場所として食事やテレビを見るなどの目的が主流でした。
しかし、時代の流れと共にライフスタイルに合わせて様々な用途が出現してきています。
まず、大きな変化と言えば子どもの勉強です。
以前は子供部屋に勉強机を設置することが主流でしたが、現代では子供がリビングで勉強をする機会が増えてきています。
これには、
- 子どもの勉強の様子を把握したい
- 子ども部屋のスペースを最小限にしたい
- 子どもの遊ぶ道具(ネットなど)が増えた
など、様々な理由があります。
子どもにリビングで勉強をさせるなら、
- 勉強する机
- 辞書などの収納
- 静かな空間づくり
など、気にしなければならないことは様々あります。
また、パソコンを設置してリビングでインターネットや仕事を行う方も増えています。
- PCラックの場所
- 配線
- 音響
など、パソコンルームとして使用する場合にもこだわりたい部分は多いです。
さらに、敷地の関係で客間として利用する方も増えてきています。
- プライベート部分のプライバシー保護
- 子どものおもちゃなどの収納
- 衣類などの収納箇所
など、あらゆることを想定してリビングを設計しなければなりません。
そのため、リビング設計の難易度は依然と比べて非常に高くなってきています。
リビングの用途を整理して、適切な間取りにすることで失敗や後悔を未然に防止しましょう。
広さを決めたら家具と配線のチェック
リビング設計において、失敗や後悔をするのが家具と配線の場所です。
用途が決まったらこれらの位置をしっかりと計算するようにしましょう。
1、家具について
必要な家具をリストアップすることから始めていきましょう。
- 子どもの勉強スペース:机、椅子、勉強用具や辞書などの収納、コンセント
- パソコンを設置:ネット配線の位置、机や椅子などの家具、書類の収納場所
- テレビやソファー、テーブル
- 食器棚
- 衣類の収納
- 冷暖房
など、必要なものをリストアップしましょう。
そして、部屋の広さやキッチンとの位置関係を考慮して設置場所を決めていくようにしましょう。
2、配線について
家具の設置場所が決まったら次にコンセントの位置です。
テレビやパソコン周辺に1つは必ず設置する必要があります。
また、スマホの充電や間接照明を利用する場合はその位置も計算に入れておく必要があります。
ポイントになるのは、使用頻度の高い場所で使用できる位置にコンセントを配置することです。
例えば、ソファーでスマホやIpadを使用する方は、充電しながら使用したい機会も多いですよね?
これを考慮せずに遠くにコンセントを設置してしまうと延長コードを使わないと充電できなくなってしまいます。
そうなるとリビング中が延長コードだらけとなってしまうおそれがあるので、しっかりと使う場所と距離を意識してコンセントの位置を設置するようにしましょう。
また、掃除をすることを考えると、
- 1箇所でリビング全体に掃除機がかけられる位置
- コンセントの抜き差しの手間を防ぐなら腰の高さに
といった工夫も必要になります。
必要な位置に必要な数のコンセントを設置することが非常に大切になるので、使用目的に応じて適切な配線配置にするようにしましょう。
採光と風通しの計算
リビングを快適な空間にするためには、自然の力を感じられる設計にする必要があります。
そこでポイントになるのが、採光と風通しです。
これらの良いリビングはそれだけで快適な空間にすることができます。
太陽の光で家の中が温かくなり、いつも新鮮な空気が循環する空間は非常に魅力的ですよね。
そこで大切なのが、窓の設置個所と数です。
まず、リビングにどのような窓を設置するのかを考えるようにしましょう。
窓は大きければ大きいほど採光や風通しがよくなると思われる方もいらっしゃいますが、ポイントは窓の場所です。
空気の出し入れがしやすい箇所に設置することと、西日が当たる位置をさけるだけで大きく変わってきます。
特に日本の夏は、異常気象と言えるほどに暑くなっているので、この点はしっかりと抑えておきたいところです。
小さくでも絶妙な位置に配置することで機能性を発揮してくれるので、土地の形状や周辺環境に応じて設計士に相談して決めるようにしましょう。
また、24時間換気設備との位置も非常に大切になります。
シックハウス症候群対策の1つとして、現代の注文住宅には24時間の換気設備が実装されるようになってきています。
そのため、以前の住宅と比べて窓の数を減らしても十分な換気が可能になりました。
この点からも窓の数を減らすことができるため、位置にこだわって十分な採光が得られる設計にすることをおススメします。
床材をどうするか
快適なリビングにするためには、床材にもこだわる必要があります。
リビングの床材には大きく3種類あります。
1、フローリング
多くの住宅で主流となっている木質系の仕上げ材です。
素材が豊富で、デザインもバリエーションに富んでいるため、好みに応じて選びやすいメリットがあります。
加工もしやすく、丈夫で凹みの少ない点も特徴です。
家具にも木材が用いられる場合が多いので、インテリアコーディネートがしやすく、掃除の手間もかからないこともメリットと言えます。
ただし、実はフローリングは取り扱いが非常に難しく、汚れを放置すると床の汚れが取れにくくなってしまうんです。
さらに、表面にワックス加工がしてあるので、5年ほどするとワックスが剥がれてしまう恐れがあります。
家具を引きずったり、重たいものを落としてしまうと傷みやすくなっているため、取り扱いを慎重に行う必要があります。
2、タイル
デザイン性の良さ、高級感を演出することにおいては他の素材を圧倒しているタイル。
浴室や壁材として使用されることが多いですが、リビングにもサイズの大きなタイルを使用する方も非常に増えてきています。
特に日本の暑い夏では、床がひんやりと冷たいので体感温度を下げることができます。
また、温まりやすく冷めやすい特徴を持っているため、温度調整が比較的しやすいメリットがあります。
しかし、カーテンを開けっぱなしにしていると必要以上に暑くなってしまったり、冬は冷たすぎるといったデメリットもあります。
掃除はしやすいものの、重たいものだけでなく、ガラスのコップを落としただけでひび割れしてしまうため、非常に注意が必要です。
3、クッションフロア
塩化ビニル素材でできた床材で、基本的にはシートタイプになっているのでフローリングの上から重ね張りをして利用します。
価格も10万円ほどからになっているため、フローリングの素材をグレードダウンさせることでコストを増やさず取り入れることができます。
シートタイプのものとは別に、厚さがあって板状に仕上げられているフロアタイルと呼ばれるものもあります。
加工して作られているため、たくさんのデザインや種類があるため、オリジナル感を演出しやすいです。
また、床も10年もすれば傷んでしまうので、リフォームをする必要が出てきます。
その際、張替え作業がしやすいのでリフォーム代を節約できるメリットもあります。
床暖房にも適しているため、幅広い用途に利用できる床材です。
ただし、素材自体が柔らかいので、冷蔵庫やテレビ台など重たいものを設置すると跡が残ってしまいます。
また、キズや凹みが生まれやすく、熱に弱いといったデメリットもあります。
壁材、クロスのカラーリングにも注意
リビングの壁材、クロスのカラーにもこだわりは必要です。
これらを決める際、デザインだけで決めてしまう方もいらっしゃるのはないでしょうか。
もちろん、好みのデザインを壁材やクロスにすることはすごくおしゃれですし、注文住宅ならではのメリットですよね。
しかし、視覚的な部分と機能性にも目を向けて決定する必要があるのです。
例えば、ホワイトを選んでしまうと、
- 冬に寒く感じやすい
- 汚れが目立ちやすい
といったデメリットがあるため、クリーム系にした方がこのようなデメリットを回避することができます。
逆に、ブラック系を選んでしまうと、
- ほこりが目立ちやすい
- 太陽光を吸収しやすく、夏は暑くなりやすい
といったデメリットがあります。
視覚的に暖かな印象を与えつつ、機能性も重視しようとなると淡色系がおすすめです。
ピンクやブルー、黄色など、うっすらとしたものの方が快適性を視覚的にも機能的にも得られやすくなります。
また、床材とのコントラストも大切になるので、最初に決めずに床材、家具などが決まってから最後に合わせることをおススメします。
ウォークスルーと組み合わせて使いやすさアップ
ウォーキングクローゼットやパントリーなど、収納スペースを設置する方も非常に多くなっています。
このような間取りを希望されている方は、リビングと併設することで使いやすくすることができます。
特に朝は家族全員がドタバタする時間帯でもあります。
そのため、ウォーキングクローゼットと併設していると動線の流れが非常にスムーズになります。
また、対面キッチンを採用している場合も、パントリーをウォークスルーにすることで調味料の出し入れや調理が非常に効率的になります。
限られたスペースを有効活用することは、機能性を上げるだけでなく使いやすさ、生活のしやすさにも繋がります。
これらを取り入れたいと思っている方はぜひ、ウォークスルーを検討してみてください。
リビングでの失敗を防いで魅力的なスペースにしよう
ライフスタイルの変化に伴い、リビングに求められることは非常に多くなってきています。
- 子どもにリビングで勉強させたい
- パソコンルームとして使いたい
- 客間として使いたい
など、要望も様々なで、その要望にあった設計や家具の配置が必要になります。
リビングの広さが決まったら、家具の配置を決め、配線にもこだわるようにしましょう。
用途によって、使いやすい配線の位置にすることで、すっきりとしたリビングに仕上げることができます。
また、採光や風通しも機能性を向上させるためには必要です。
そのための最大のポイントは窓の位置です。
窓の数を増やした分だけコストが上がるので、必要最小限の数に抑えて、位置にこだわるようにしましょう。
床材や壁材、クロスにもこだわることで、視覚的にも機能的にも快適な空間にすることができます。
また、ウォーキングクローゼットやパントリーなどを設置しようと思っている方は、これらをウォークスルーにすると非常に使い勝手がいいです。
自分だけの空間づくりをすることができる注文住宅。
だからこそ、しっかりと構想を練り、失敗や後悔しないリビング設計を行ってください!