土地や間取り、設備や外構の希望がある程度きまり、業者に見積もりを依頼。
そこで起こる「予算オーバー」という問題。
多くの方が希望と予算がマッチせず、どこを削るか?、どのように変更をするか?で悩むところでもあります。
今回は予算オーバーになってしまった時の削るべき所・見直すべき事について、
- ここで予算が削れる
- ここは変更しないほうがいい
- 変更して後悔しないポイント
など詳しくご紹介します。
目次
削るべきところや変更するべきところの優先順位を把握しよう
削る、変更するべき優先順位が高い箇所は、
- 後々取り付け(リフォーム)が可能なところ
- なくても不便にならないところ
- 各種設備や素材のグレード
です。
業者に見積り依頼を出したとき、業者の提供するものは基本的に業者がオススメするものが多いです。
これは業者ごとに違いがあり、これらを変更することでかなり価格を浮かすことができます。
逆に「間取りを変更する」ことは、後悔や失敗に繋がる可能性が高いので避けるようにしましょう。
どうしても間取りを変更しなければならなくなった場合は、
- 廊下を少し狭くする
- 部屋の広さを改善する
など、小さな変更で10万円~30万円変わることもあるので、最終手段として残しておきましょう。
設備と外構を変更する
後々変更できたり、後付出来るものとして代表的なものが「設備」と「外構」です。
業者の提案する間取り、見積もりは快適に生活ができるようにするため、設備や外構も含めたものが一般的です。
設備とは、キッチン、バス、トイレ、エアコン、下駄箱などがあり、外構には、門扉、ポスト、カーポート、塀などがあります。
これらの「グレードを下げる」「取り付けるのをやめる」ことで費用を抑えることができます。
システムキッチン
システムキッチンのグレードを下げるだけで20万円前後の費用を浮かすことができます。
しかし、キッチンは家事をする奥さんにとってとても重要な場所です。必ず奥さんと話し合って、合意の上でグレードを下げるようにしましょう。
バス
バスについても同様です。
1.5坪や2.0坪の浴室を1坪に縮小することで費用を浮かせます。また、オーダーメイドで考えていた場合は既成品に変更することも1つの手です。
キッチンや浴室はオーダーメイドの方が規制品よりも金額が大きくなります。予算がどうしても足りない場合は、割り切って既成のものに変更するといいでしょう。
トイレ
トイレに関しては、メーカーの既成品に変更してグレードを落とすといいです。
「システムキッチン」「バス」「トイレ」の3箇所を、グレードダウンするだけでも50万円以上の費用を浮かすことができます。
エアコン
エアコンも後付できる設備の一例ですが、入居時に必要なく、後々取り付けることもできます。
例えば、春や秋に新築の完成を予定しているのであれば、
- 夏や冬のボーナスが出てから取り付ける
- 秋の場合は、冬は他の暖房設備で乗り切る
ことで、最初に必要な費用を浮かすことができます。
フェンス
境界線に取り付けるフェンスですが、必要のない場合は取り付けをやめることも1つの手です。
ブロック塀だけにしておいて、余裕が出来たり、どうしてもほしいという場合に取り付ける形を取っても問題ありません。
家を立てる際、業者が建築をするわけではなく、業者と契約をしている職人さんが作業をします。
家を作るのが大工さんなら、ブロック塀を積んだり、フェンスを取り付けるのは左官屋さんの仕事です。
つまり、それだけ人件費がかかってしまうのです。
- 浴室が隣の家から見えてしまう
- プライベートな部屋が近隣から丸見え
といった状態でなければ、フェンスは余裕が出来てからで大丈夫です。
門扉、ポスト
門扉、ポストも後から作ることができるものです。
門扉を取り付けることで、外壁も必要になってくるため、かなりの費用が発生します。
それならば門扉を削ることで費用を抑えるようにしましょう。
また、ポストもあると立派に見えますが、なくとも郵便物の配達は可能です。
玄関の扉にポストを取り付けるだけで済むため、ここでも費用を抑えることができます。
カーポート
駐車場に取り付けるカーポートですが、屋根付きの駐車場は建ぺい率に含まれるため、結果的に部屋の広さに関わってくるところでもあります。
予算オーバーをしていて、
- 削るところがない
- あってもなくても車は濡れるし、日差しにもあたると割り切れる
場合は、ここを優先してカットしてもいいです。
あれば雨のときにとても便利ですが、1年トータルで見た場合、梅雨の時期に少し苦になるくらいなので、どうしてもという場合でなければ後から取り付けても問題ありません。
このように、後から取り付けできるもの、リフォームできるものを優先的に削ったり、グレードダウンさせることで、かなりの費用を浮かすことができます。
1つ1つの金額は、総額から見たら少なく感じるかもしれません。
しかし、「塵も積もれば山となる」ともいいますし、そもそも、1つ1つの設備の金額は数万円~数十万円と普段の生活からするとものすごく高価なものばかりです。
妥協と変更は違います。諦めるのではなく、快適な生活とムリのない返済ができるよう、健康的に予算内に収めるための変更を行いましょう。
素材を変更する
1つ1つのパーツでもある「素材」を変更することで費用を抑えることができます。
ただし、壁材を変更してしまうと結果的に
- 光熱費が高くなる(寒く、暑い家になってしまう)
- 風通しが悪くなる
という危険性もあるため、あまりオススメは出来ません。
メーカーも快適性が崩れてしまうため、限られた素材への変更しか受け付けてもらえないことが一般的です。
やはり、建物の構造と性能に大きく関わるところなので、メーカーも譲れない部分なのです。
一方、工務店や建築士の場合は変更してくれることもありますが、
- 快適性
- 耐久性
にも関わってくるため、壁材の変更は基本的にしないほうがいいです。
変えるべき部分は、
- フローリングの床材:面積が一番広いため、グレードダウンでかなりの金額が浮く
- 壁紙:統一することで費用を抑えられる
- 外壁:シンプルなものにする。レンガやタイルなどは避ける。
- 仕上材:壁、天井、床に使うもの。グレードダウンでかなりの金額が浮く
です。
フローリング、壁紙、外壁は後からでもリフォームができます。
最初の予算に見合わないようであれば、とりあえずグレードダウンしておいて、余裕ができたら変更するというのもありです。
また、上記でもお伝えしましたが、壁の一部分をクロスにしたり、タイルにしたりすると余計に費用がかさみます。それは施工する職人さんが変わるからです。
壁を塗るのが左官屋さん、クロスはクロス職人さんの仕事なので、一部の変更は人件費の増加に繋がります。
また、タイルも壁を塗った後で仕上げとして取り付けるため、工期が延びてしまうため、その分の費用が発生します。
予算内に切り詰めていくために、こういった小さなコストカットをしていくように、「建物の材質」の見直しも行うようにしましょう。
住宅ローンから削る
予算オーバーしてしまった際は住宅ローンにも目を向けてみましょう。
予算オーバーになると、設備や外装、素材、間取りをどうしようと考える方も多いですが、意外と住宅ローンでも費用を抑えることができるのです。
そのポイントが金利です。
金利が0.3%違うだけで、かなりの額を抑えることができます。
例えば、2000万円の借入(20年で返済)の場合、
- 金利が2.0%の場合 → 2000万+2000万×0.02×20年=2800万円(支払い総額)
- 金利が2.3%の場合 → 2000万+2000万×0.023×20年=2920万円(支払い総額)
※但し、事務手数料等の諸費用は省く
と0.3%の違いで120万円もの違いが生じるのです。
これは、借入総額や返済年数が大きくなればなるほど、差が開いていくものです。
トータルで計算するとかなりの違いになることはおわかりいただけると思います。
このように、住宅ローンは金利の違いが大きな違いになってくるため、
- 借りられる金融機関
- 借りる総額
- 金利
の条件を満たしたところで一番待遇のいい住宅ローンを選ぶことが大切です。
ローンの金利を抑えて全体的の支払い額を抑えるために「住宅ローンを比較」しましょう。
(※「住宅ローン」を比較 のところにローン比較のリンクを貼る)
予算をオーバーしてしまったら、3点の変更で改善しよう
予算オーバになってしまったら、安易に間取りの変更を行わず、
- 設備、外構
- 素材
- ローンの見直し
をするようにしましょう。
1つ1つは小さな変更でも、積み重なるととても大きな金額になります。
- 後から変更できるものは優先度が低い
- 後から取り付けできるものは優先度が低い
- 大きな面積が必要な部分の材質をグレードダウンする
- 住宅ローンは金利0.1%の違いが大きな差を生む
などがポイントです。
また、材質や設備、外装等、業者によってかなりの開きが生じます。
予算オーバーになった際は「他の業者と比較」することも非常に有効な手段です。
この際、目的は「交渉を行う」ことなので、複数業者に同条件で見積もりを出してみましょう。
その中で、希望にピッタリの条件を出してくれる業者がいれば、そのデータを元に交渉を行うことができます。
交渉によって、
- 価格の値引き
- 設備のグレードアップ
- 設備を自己費用なしでつけてくれる
などのサービスをしてくれる場合もあります。
これらの交渉を有利に行うためにも他業者との交渉や比較を事前に進めておきましょう!
他業者の見積もり書や資料は「交渉用のアイテム」として活用することが出来るので是非、手に入れておいて下さい。