予算をきちんと建てることは、マイホームでの生活をより快適なものに変えてくれます。

返済に追われて過ごす日々は、精神がすり減ってしまいますし、何より不安がある中で生活を送ることは健康的にもよくありません。

そこで今回は、新築を建てる際に重要となる予算の上手な立て方をご紹介します。

また、組みやすいローンや審査についてもお伝えします。

 

予算とは、頭金と住宅ローン借入額の合計

マイホームと聞くと、1000万、2000万、3000万と様々なグレードがありますが、土地+建物を購入するとなると平均は3000万円ほどと言われています。

この予算をどう計算するかがとても大切です。

 

まず、予算は借入の総額ではありません。

  • 頭金:マイホームを購入するために先に貯めておく資金、
  • 住宅ローン:頭金で足りない資金を補う

この2つの合計額が予算の総額となります。

 

これをを念頭に置き、いくつかの予算を考えるパターンを見ていきましょう。

住宅ローン借入額を決め、必要な頭金を計算しよう

まずは住宅ローンの借入額を決めましょう。

いち早く新築を手に入れたい方はこちらを優先したほうが円滑なマイホーム探しができるようになります。

住宅ローンの月々の返済額は「現況の家賃」+「住宅資金の月々の積立額」が目安です。

 

現在の家賃が60,000円、月々の積立額が30,000円の場合は、

住宅ローンの返済額は90,000円となります。

 

20年のローンを組むとして、

9万円×12ヶ月×20年=1,920万円

 

これにボーナス時に10万円上乗せすることを想定すると、

10万円×年2回×20年=400万円 をプラスできるため、

ローンの借入額は2,320万円となります。

 

予算を3,000万円とするのであれば、

頭金が680万円必要であることがこれで計算できます。

 

年数を大きくすることで、

  • 借入額を増やすことができる
  • 1回の支払い額を抑えることができる
  • ボーナス払いを止めることができる

というメリットもあるため、年数も含めてきちんと見通しを立てましょう。

 

それぞれの家賃や積立額の状況、収支のバランスにもよるため、おおよその予算の目処を立てるための計算方法としてお使いください。

貯金を全額頭金に当ててはならない!

上記の説明をすると、「この額なら大丈夫」「思ったより敷居が低い」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、気をつけることは、現在の貯金をすべて頭金に当てないことです。

 

頭金を多く支払うことで、

  • 月々の返済額
  • 支払う利息

を減らすことはできますが、

  • 予算オーバーしてしまった場合に対応ができない
  • 生活予備費がなくなってしまう
  • 各種諸費用が支払えない

といった状況になってしまいます。

 

土地代+工事代金は予算の70%ほどかかると言われています。

その他の30%は様々な諸費用で必要となるのです。

 

ここの理解度が低く、

  • 土地と建物の価格だけで予算に達してしまった
  • かかる諸費用を計算してなかった

という状態になってしまっては、資金計画から大きく予算オーバーしてしまう可能性もあります。

 

頭金の一部は、諸費用の支払いや不測の事態に備えた準備金とするようにしておきましょう。

現在の生活費を把握し、長期のライフプランに照らし合わせる

的確な予算を出すためには「現在の生活費を把握する」ことがとても重要です。

その上で「長期のライフプラン」の見通しを立てるようにしましょう。

住宅ローンは各種ローンの中でも返済期間が非常に長くなるものです。

 

その長い返済期間の中で、

  • 食費や交通費が増える
  • 居住人数が増えると光熱費や生活費も増える
  • 妻の出産時の収支バランス
  • 病気等で働けなくなったときの保険の受取額は大丈夫か

など、様々な問題に対して返済が可能であるかどうかの見通しを立てましょう。

 

病気等が長引いてしまう可能性もありますが、おおよその枠の中で「働けなくなったらすぐに支払いができなくなる」という状況は避けなければなりません。

現在から長期に至るまで、緻密な計算が予算を決めるために必要になるのです。

予算は年収のどのくらいが理想?

平均的な予算が3000万円とお伝えしましたが、これはあくまで平均値です。

  • マイホームに求めるもの
  • 間取りの数
  • 立地条件や敷地面積
  • 建築費用

などにより、予算は増やす必要があったり、減らしても大丈夫な場合もあります。

その中で予算を決めることはなかなか難しいかもしれません。

 

そこで、年収に対する一般的な予算は、

  • 注文住宅:5.4倍~6.2倍
  • 新築分譲住宅やマンション:5.9倍
  • 中古分譲住宅:4.5倍

と言われています。

 

年収から逆算した、ムリのない予算として用いられる倍率でもあるので、参考にしてください。

ローンが組みやすい方とは?

住宅ローンを組むに当たり、気になることは、組みやすさではないでしょうか。

 

ローンが組みやすい方の傾向は、

  • 正社員の方
  • 勤続年数が長い
  • 給与のアップダウンが少ない方
  • クレジットなどの支払状況のいい方
  • 健康状態が良好である

など、きちんとした返済能力が社会的に認められている方です。

 

ローン会社も貸し倒れは防がなければならないため、審査には非常にシビアです。

ここで大きな問題になるのが、過去の金融事故についてです。

ちょっとしたことでも履歴が残っているため、信用情報の状態を把握しておくようにしておきましょう。

金融事故の履歴がある人は要注意!

金融事故とは、

  • 様々な理由で支払いの延滞記録がある
  • クレジットなどを強制解約されてしまった
  • 税金や公共料金などの滞納

のことを指します。

 

一般に言われる「ブラックリスト」は存在しないものとして有名ですが、これらの履歴がブラックリストのようなものなのです。

これらは原則5年間記録されるので、過去にこれらに当てはまる方はローンが組めない可能性があります。

 

そして、怖いのが携帯電話料金の滞納です。

ここ数年、携帯機種を分割払いで購入する形を取ることが一般的になっています。

この分割払いもローンの一部なので、携帯電話の滞納=滞納履歴とされてしまうのです。

 

また、社会問題にもなりつつある奨学金も滞納履歴として残ってしまいます。

住宅ローン借入を検討されている方は、これらに該当していないかもチェックしておく必要があります。

組みやすいローン会社は?

組みやすいローン会社を気にされる方もいらっしゃいますが、現在、様々な金融機関が住宅ローンを採用しています。

そのため、一概に組みやすいか否かを判断することは非常に難しいです。

しかし、業界で人気があり、組みやすいと言われているのが「フラット35」です。

 

フラット35は

  • 全期間固定金利
  • 審査は各金融機関と住宅金融支援機構がそれぞれ行う
  • 勤続年数が1年未満でも借入可能
  • 繰上返済が100万円からで手数料不要

といった特徴があります。

 

また、地域密着型の各地域の信用金庫では借入のハードルが低めであるとも言われています。

依頼する業者によってローンの組みやすさは変わる?

依頼する業者の規模によって、ローンの組みやすさは変わります。

 

契約者本人の信用情報の状態によっても左右されますが、大手であればあるほど、住宅ローンを提供する機関との結びつきは強いものです。

また、業者間でも取り扱っているローン機関が異なる場合があるため、個人で住宅ローンの申請をする場合を除き、業者ごとに依頼をして、ローンが通るかどうかなどの見通しを立てることも1つの手です。

その際、ビッグネームに飛びつかないことも忘れてはなりません。

 

ローンが通っても、

  • 土地や間取りが希望ではない
  • 周辺調査をしてくれない
  • 担当者の人柄が嫌

などの理由がある場合は、納得のいくマイホームになる可能性は低いです。

 

そのため、親身になって様々な相談に乗ってくれる業者や担当者を探す必要があります。

基本は複数業者の比較です。

ローンの組みやすさだけに特化した契約だけはしないよう、気をつけてください。

ローン額は頭金としっかりとした返済計画を立てて決める

予算は、

  1. 現在の家賃と住宅資金の積立額からローンの返済額を決定
  2. 足りない部分を頭金に充てる

が基本です。また、貯金を全額頭金にしないように注意しましょう。

 

住宅ローンの申請をする際には、

  • 信用状態
  • 過去の金融事故がないか

をチェックするようにしましょう。

 

そして、ローン会社を紹介してくれる業者選びがポイントです。

大手の方がパイプは太いですが、その分親身になってくれないなどの問題が生じます。

業者ごとに紹介してくれるローン会社が異なるため、土地、間取り、資金計画を含めてきちんと業者比較をするようにしましょう。

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また、個人でローンの契約先を探す場合も複数の機関に見積もりを依頼するようにしましょう。
借入額や利率で200万円近くの差が生まれることもあります。

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