新築を建て、実際に住んでみてから感じる失敗や後悔。
これらを防ぐために思考を巡らせたり、業者との打ち合わせを重ねている方も多いのではないでしょうか?しかし、実は土地選びの時点で失敗してしまっているケースもあるのです。
それが、いい土地を見つけても「間取りが入らない」というケースです。
- なぜそのようなことが起こるのか
- 「間取りが入らない」という失敗防ぐためにはどうすればいいのか
を中心に土地と間取りの関係性や土地探し前にするべきことについてご紹介していきます。
目次
土地の坪数と間取りの坪数は違う!
土地を購入する際によく目にするのは、広さと価格の2つではないでしょうか?
「144㎡、1450万円」や「35坪、980万円」
のように、土地の広さと価格を大々的に謳う業者が非常に多いです。
しかし、土地がいくら広くても間取りに使えるスペースが少ないというケースもあるのです。
この問題を引き起こすものが、「建ぺい率」と「容積率」です。
どちらも都市計画によって定められており、
- 建ぺい率:建築面積の上限。上空から見下ろしたときの土地に対する間取りの割合。
- 容積率:延床面積の上限。2階建ての場合、1階と2階の床面積の合計。
が決まっているのです。
つまり、いくら土地が広くとも建ぺい率が低いと間取りに取れる面積が少なくなるということです。
また、容積率が低い場合は2階建て、3階建てにしたときに間取りが小さくなります。
建ぺい率や容積率は土地の情報表示のところに記載されているため、必ず確認するようにしましょう。
土地と間取り、どちらを先に決めるべき?
土地と間取りを同時に考える場合、まずはある程度間取りから決めておく方が良いでしょう。
土地を先に決めてしまうと、
- 面積に応じて入る間取りが限定的になる
- ほしい間取りを諦めなくてはならなくなる
といった事態になりがちです。
まずは理想の間取りをしっかりとイメージして、どのくらいの建築面積が必要なのかをチェックすること。
「これだけの面積が欲しいから、その条件にあった土地を探す」というスタンスの方がうまくいく可能性が高くなります。
広さに着目すると建ぺい率や容積率もチェックするようになるため、効率がいいのです。
また、土地探しをし始めて、
- なかなか土地が見つからない
- 条件が非常にいい土地があるが、間取りが入らない
という場合には、間取りから優先順位の低いものを削除するようにしましょう。
最初は間取りの大枠と優先順位を決めておく
まずは理想の間取りを入れられる土地を探すために、間取りの大枠を決めましょう。
間取りには、
- 家族の趣味
- 家事のしやすさ
- こういうものがあったらいいな
というのを取り込むようにしましょう。
具体的なものを考えると時間がかかってしまうので、家族の要望を詰め込んだ間取りを考えましょう。その際、ざっと広さも計算しておくとその後がスムーズになります。
「1畳=約1.82405㎡=約0.551775坪」で計算できるので、参考にしてみてください。
例えば、
- リビングは10畳くらいほしい
- ダイニングは6畳
- 個室8畳
約43.8㎡(=約13.2坪)必要と算出できます。
これらに、
- キッチン・通路・トイレ・玄関・浴室・洗濯場・収納を含めてざっと60㎡=(約18.2坪)必要
- 駐車場:1台あたり12.5㎡~16.5㎡(約3.8坪~5.0坪)必要
- 庭:9㎡(約2.7坪)とすると、駐車場2台分のスペースを確保し、建ぺい率が60%の地域であれば、約164㎡(=約49.6坪)の敷地が必要
と計算できます。
さらに2階建て、3階建てにする場合は、
- 部屋数(寝室・子供部屋・個室など)
- トイレ
も希望をまとめておくと容積率も同時に把握できるためとても便利です。
こうすることで、敷地面積がより具体的になるため、土地探しの絞り込みもしやすくなります。
また、間取りが入らないときにどの部分を削るかも予め考えておきましょう。
間取りに合う面積で、条件のいい土地を探そう
間取りの入る条件を満たす物件を検索し、その中で立地条件のいい土地を探していきましょう。
その際、立地条件の項目も希望をまとめておくと業者に依頼がしやすいです。
ネット社会といえども自力での土地探しは非常に苦労します。
間取り・立地条件にぴったりの土地が見つかる土地がベストですが、
- 間取りをやや改善することで満たされる土地
- 部屋のスペースを少し小さくすれば入る土地
が見つかった場合、間取り改善の話し合いをすることでスムーズに契約まで進むことができます。
ただし、業者によって価格や間取りに違いが生まれてくるため、1~2社で決めてしまわず、しっかりと複数業者の比較をするようにしましょう。
土地が決まったら間取りを具体的に決めよう
希望に沿う土地が見つかったら、間取りを具体的なものにしていきましょう。
間取りを考える際に注意しなければならないものが「生活動線」です。
家族の行動を線で表すことにより、
- どこが混雑するか
- 手間のかかる間取りでないか
が明確になります。
間取りによっては、部屋数や広さ、バリエーションは理想通りでも生活がしにくくなるケースは
この生活動線が考えられていない場合です。
様々な動線があるため、優先順位をつけて決めていきましょう。
土地だけを選んでしまうと間取りが入らない場合も!
土地だけを先に選んでしまったり、すでに土地を所有して新築を建てたいと思っている方に多いのが
「希望の間取りが入らない」という問題。
間取りが入らない大きな原因は、
- 建ぺい率
- 容積率
- 高さ制限
が主な要因としてありますが、
- 狭小地
- 希望の間取りが大きすぎる
といった原因もあります。
そうはいっても希望の間取りは諦めたくないもの。
このような状況になった場合は、必ずプロの意見を間取りに取り入れましょう。
その際もポイントは「複数業者を比較すること」です。
業者が10社あれば、10通りの違った間取りが出来上がります。
要望を形にしつつ、より生活しやすい間取りを提示してくれる業者を探しましょう。
また、土地や間取りが決まっても起こり得る問題として
- 土地の向き:風水(家相が悪い)※間取り・風水のリンク
- 土地の値段:予算オーバーになってしまう※予算オーバーのリンク
があります。
様々な法律、制限、風水など複雑に絡み合っていい家は出来上がるので、手間を惜しまず、
- 複数業者の比較
- プロへの相談、質問
をするようにしましょう。
新築マイホームは間取りと土地を同時進行で考え、後悔、失敗を防ごう!
新築の場合、基本的には間取りと土地は同時進行で考える方が失敗は少ないです。
土地だけが先にある場合、
- 建ぺい率
- 容積率
- 各種制限
- 向き
など様々な制約を受け、建てられる家のパターンが限定的になってしまいます。
同時に探す場合は、
- 大枠の間取りを決める
- どのくらいの面積が必要なのかを計算する
- 条件にあった土地を探す
- 土地が見つかったら間取りを具体的に決めていく
- その際、動線にはこだわりを持つこと
のステップを踏む方にしましょう。